Atletico Tokyo~アトレチコ東京~

2006/07/01(土)03:53

歴史的名勝負・ドイツ-アルゼンチン

W杯2006(14)

感動しまくりでした。これぞW杯。 個人的予想では点の取り合いで3-2くらいの戦いになると思ったのですが、予想以上に両チームが守備に比重を置いた戦いになりました。アルゼンチンは中盤でゆっくりボールを回すポゼッションサッカー。ドイツは深めにラインを置き、中盤の底で複数でボールを奪いカウンターを狙うサッカー。ただ、両チーム誤算があったとは思います。 ドイツは、これまで通りもっと高い位置から攻勢をかけることを狙ったはずですが、クローゼには密着マークがついて思うようにボールコントロールができない。結果前線にボールが収まらず、中盤の押し上げもゆっくりとした展開でしかできない。これまで得意とした早い縦への展開が今日はほとんど封じられっぱなしでした。このような展開で変化を与えるのがバラックやシュバインシュタイガーなのですが、両者とも今日はボールコントロールが悪く、ほとんど攻撃の形を作れません。 一方のアルゼンチンは、サビオラに代えてテベスをスタメンに起用。これはドイツのDFラインには組織よりも超人的個人技の方が吉だ、特に右サイドのフリードリヒが穴だからそこを徹底的に狙おうという意図だったんだと思います。ところがここにアルゼンチンの大誤算があったと思います。今日のフリードリヒはこれまでよりも遥かにキレていました。テベスにバイタルエリアでまともにボールを持たせない。持たせてもしっかりディレイして他のDFが来るのを待つ。リケルメも同じようにして封じられ、結果この2人がボールを持つ位置は普段より10mほど後ろになってしまいました。ボールは持っているのに、アルゼンチンはシュートをほとんど打たせてもらえません。技術はあるので、中盤からの押し上げ(特にソリン)で何回かクロスまでは行きますが、それもほとんど無駄になっていました。 こんな感じで後半に行くのですが、後半早々、アジャラがCKから渾身のヘッドでドイツゴールを突き破ります。この身長でやらかすのですから、お見事でした。 ところがこの先制点でとにかく点が必要なドイツは中盤より前の上がりが一気に激しくなります。オドンコールとボロウスキを入れて更に活性化(ちなみに、波の激しいシュバインシュタイガーの今日は、当たりはずれの「はずれ」の日だったので、この交代は素晴らしかったと思います)。アルゼンチンはボールを跳ね返してもすぐにドイツの攻撃が再開する。DFラインはもう穏やかではなかったでしょう。 1点を守りきるか、カウンターの威力を高めるか…。べゲルマン監督は前者を選びました。リケルメを下げてカンビアッソ投入。ところが想定外の出来事としてアッボンダンシエリがクローゼとの激突で腰を痛め、無念の交代。これでカードを1枚無駄にしてしまったべゲルマンは最後のカードにメッシーもアイマールも諦め、クレスポ→フリオ・クルスに使うことを決めます。前線にボールの収め所を作って時間を稼ぐ。完全に1点を守りきることにしたのです。だからクローゼの同点ゴールは、アルゼンチンがスコアを越えて完全にがけっぷちに立たされたことを意味していたと思います。 ドイツはノイビルも投入して一気に勝負を決めに行きました。ところがそれは叶わず。延長でもこの勢いならなんとかなる、そう思っていると…。 今度はバラックが痛めていた右足を悪化させるアクシデント。延長に入り、彼の動きはほとんどなくなり、ドイツは事実上10人での戦いを強いられます(それでもなんとか出て貢献しようとするバラックの姿は痛々しさと感動が同居してました)。アルゼンチンはこれまで経験したことのないシステムでも、とにかく数とスピードで戦います。ドイツは攻撃は両サイドに任せっぱなしでスピードに欠け、延長は完全にアルゼンチンペースでした。 両者死力をつくしての戦い。これぞW杯。シュートは少ないのに、点は入らないのに、ここまで目が離せない、興奮する試合は初めてだったかもしれません。 そしてPK戦。 何と、カーンがレーマンのところに来て何かささやくという歴史的和解(?)のシーンが。 「ここで止めなかったら『だからカーンじゃなきゃダメなんだ』と言われるぞ。お前それでもいいのか?」 「大丈夫。俺がついている。ドイツは絶対に負けない。頑張れ」 とでも言ったのでしょうか…。 レーマンは試合中にも神セーブを一回やっていましたが、この日はPKも全て読みが当たっていました。やはりドイツ人、末恐ろしい…。結局、W杯のPK戦で未だに負けたことの無いドイツが今回も勝ちをさらったのでした。 アルゼンチンはまさかの敗退かもしれませんが、まだまだ精神的にも若いチームです。次回の大会では一層大きくなって帰ってくるでしょう。 ドイツはもう満身創痍でバラックも準決勝が怪しそうですが、ここまで来たらもう気力の勝負です。あれだけのサポーターもついているのです。首相も皇帝もいるのです。きっとやってくれると信じてます。今日は素晴らしい試合をありがとう!!! P.S 試合後、乱闘みたいなことがありましたが… 言われたのはエインセ、言ったのは選手じゃなくてビアホフだった模様www

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