根管治療とラバーダム
最近、奥歯が歯の神経にまで達した虫歯にかかってしまったので治療を受けることにしました。その時の話のまとめです。何やかんやで結構時間かかった。根管治療とは根管治療とは「歯髄(しずい)」と呼ばれる歯の神経にまで達した虫歯を治療することを指します。簡単に言うと、虫歯の神経を取り除いて痛まないようにする治療です。放置していると歯の周辺にまで炎症が広がり、リンパ節の腫脹や熱発など、全身的な症状が現れるリスクがあります。治療は主に2種類あって、初めて神経を取る「抜髄」と再度感染が起きて根の治療を行う「感染根管治療」があります。前者は歯髄炎(食べ物が染みるかどうか)が目安で、無菌的な丁寧な治療を行えば8~9割で治療できます。今回の自分はこちらのケースでした。逆に、早めに治療しないと症状の重い「感染根管治療」になってしまいます。すでに神経を取った歯でも、根管内に細菌が侵入すると似た状態になります。こちらはさらに深いところまで治療しないといけないため、成功率が下がります、(5~7割)費用的には、後者の場合は精密機械を使うこともあるので1回数万円~のケースも。(精密機械を使う場合、「保険適用外」と言われることが目安。)逆に前者の場合は麻酔して神経を取り除くだけなので5~6回の治療+αで保険効けば合計1万円程度で治療できる見込み。前者の場合は保険適用の範囲で直し、後者は抜歯も視野にいれつつ…が現実的なラインになりそう。というのも、精密根管治療の相場は約7万円~15万円で、1本20万円以上することも。なぜこんなに費用がかさむのかというと、複数回通うのが通常だからです。5~6回の治療の内訳は以下。1~2回目:歯の神経の除去3~5回目:根管拡大5~6回目:根管充填歯の神経取り除く段階は、麻酔してても効かない部分を治療することがあり、痛みを伴うことがあるかもしれません。歯の根っこは前歯だと1~2本、奥歯だと3~4本あって、最終的には根管を清潔にして薬剤を詰めることを考えると複数回に渡る通院はむしろ自然なものです。短期間で治療しようとすると手術並みに大変なコースになるだけでなく、上手く治療しきれないケースがあるため注意。ラバーダムの話ここで、精密治療に通うにあたって最近ではラバーダムを用いることがあります。ラバーダムとは、治療する歯のみを隔離し、唾液や浸出液などの細菌が入らないようにする治療のことです。歯の周りをゴムで覆って防湿することで唾液による感染を防ぐだけでなく、殺菌力の強い消毒液を使ったりすることができます。詳しいデータは以下参考サイトに掲載されていますが、実体験をもとにラバーダムについて紹介。[参考]根管治療の成功のキーポイント | 根管治療・歯周病治療専門歯科医院 | 千葉県の検見川浜まず大前提として、ラバーダムを使った根管治療は世界的にはスタンダードです。ラバーダムの必要性を示す論文は以下。1)吉川ら:根管処置におけるラバーダム使用の現状.日歯内療法誌,24:83-86,2003.2)whitten BH et al : Current trend in endodontic treatment : report of a national surgery. J Am Dent Assoc,127:133-1341,1996The effects of surgical exposures of dental pulps in germ-free and conventional laboratory ratsS. Kakehashi, D.D.S., M.S., B.S.*, H.R. Stanley, D.D.S., M.S., B.S.**, R.J. Fitzgerald, Ph.D., M.S., B.S.National Institute of Dental Research, National Institutes of Health, United States Public Health Service Bethesda, Md. USA*Oral Medicine and Surgery Branch, National Institute of Dental Research.**Chief, Oral Medicine and Surgery Branch, National Institute of Dental Research.昔の人だと「そんなの使わなかったよ」って人はいるかと思いますが、令和の今となってはむしろ使わないほうが特例ケースと考えたほうがよさそうです。別に危ない治療とかそういうわけではないので、その点はご心配なく。ざっくり言うなら「根管治療の成功率をアップさせる器具」日本普及していない理由として考えられるのは、この器具の点数0(≒無料)であることから、歯科医側からしてもあまり使いたくないのではないかと。とはいえラバーダムを提示されないところは黄色信号かなと。ただ、自分がこれ受けてみたところ呼吸困難に近い症状が起きて「まさか…?」と思ったらラテックスアレルギーでした。いわれてみればゴム手袋はめた後に湿疹や肌荒れを起こしがちだったので、多分どうにもならないかなと。専用のラバーを使うも、やはり息苦しさが残ったので止む無く断念。全身麻酔して治療する可能性も検討しないといけない状況でしたが、「止むを得ない場合はラバーダムなしでの治療」ができるそうなのでそれでチャレンジしてみることにしました。いつかビニール袋みたいな別材質で覆う手法が発明されることを望む…。(自分が調べた時点では見つかりませんでしたが、最新の医療界隈ではあるかもね)無しでも普通に治療は進行していきました。数日後に炎症のような痛みが発生するので患部を冷やすなどして対応。抗生物質や鎮痛剤の投与が必要なので、ロキソニンや抗生剤を飲んで緩和させます。変に刺激せずに安静にしているのがベストそう。冷やしても痛むときは痛む。逆に変に湿布張ったりマッサージすると逆効果になりがちな印象。基本的には親知らず抜いた時と似たような痛みを伴うと思ってもらえると。その後、噛むと該当箇所が痛んだので「やっぱりラバーダム必要かな・・・?」と思ったが、単に仮の詰め物によるかみ合わせが悪いだけでした。該当の歯、かなり高さを低くする必要があったようで。かみ合わせを何度か調整して応急手当。その後痛みが治ったので本当にかみ合わせの問題だった(表面に出ている高さが1~2mm程度しかないタイプの歯なので、普通に仮の詰め物したらそりゃ確実に合わなくなる…。仮の詰め物した後は忘れずにかみ合わせチェックを)その後は普通に治療が進み、無事に完治しました。ラバーダム無しでも治療はできますが、普通につけたほうが安定して治療できます。あと、値段については保険適用内で治療する分にはそこまで激高にならない印象。再発しないように歯ブラシから見直すかーってことで、最近愛用している歯ブラシ。【1000円ポッキリ】クラプロックス 歯ブラシ CS5460 メール便送料無料 約3か月使用可能 大人用 超やわらか極細毛460本 CURAPROX 天使の歯ブラシ スイス製 楽天ブラックフライデー期間ポイント5倍価格:1000円(税込、送料無料) (2021/11/17時点)楽天で購入通常、歯ブラシの毛量は300~500本とされているなか(※通常日本の高額ブラシで毛の量が多いとされている場合でも1500本ほど)、本品の毛量は5960~7600本とのこと。本数が多いほど表面積が大きくなるので、毛の量が多いほうが口腔ケアには有利です。磨いてて確かに楽しいし、磨きやすい。子供の力でも磨けそうなぐらい軟らかい感触なので、結構磨きやすいです。詳しくはクラプロッフス公式にて。何度もこういう治療したくないので、個人的には虫歯ができやすい人は歯の点検を散髪並みの頻度(月1程度)でした方がいいんじゃないかと思う。