十章「戦いへ」「ウィリアは!?」駆け寄りながら冷静な外見、中身には似合わぬ声で言う。 血まみれの集団の近くは、焼かれたような、切られたような木の跡。 ヒビが入り、不安定な足場。 人一人確認できないような暗さ。 戦いへ 八雲「逃げられたよ・・・隙を見られた」 自らのふがいなさを自覚するように言う。 飛鳥「そう・・・か」 八雲「そっちはどうした?遅かったな」 飛鳥「小さな竜が数匹現れた」 ウィリアの手先だろうか。 雷「それだけで遅くなったのか?」 飛鳥「すまなかった・・・御影、佐奈、神楽は負傷。ロウは後始末中だ」 雷の憎まれ口にも怒らず、如月 飛鳥はただ反省、そして現在の状況を語る。 ルカ「こっちは大丈夫。えっと・・・三人は大丈夫なのか?」 飛鳥「ああ・・・寝かせてある・・・白。すまないが来てくれるか?」 白「うん。わかった」 飛鳥、白、ルカが去る。 雷「っち・・・何なんだ・・・クソッ」 八雲「・・・?何か言ったか?雷」 雷「あ・・・いや」 八雲「・・・」 沈黙。おそらく、八雲は何かを察したのだろう。 蓬莱「私達にもできる事があるのではないか?」 意味深な言葉だった。 これからの事か。 それとも今の事なのか。 ************************** 白「うん・・・もう大丈夫だね」 飛鳥「そうか・・・まったく・・・」 ルカ「よかったな~・・・でもすげぇよ。ほぼ初めてなのにな」 「よくねぇよ・・・旅の足手まといなんじゃねぇか?」 雷だ。 飛鳥「・・・すまない」 白「雷・・・」 雷「本当の事だ・・・言い返せるか?」 ルカ「でも!言いすぎだろ!?」 飛鳥「雷・・・すまない・・・先に行っててくれるか?」 ある意味での沈黙。 だが、雷は黙らなかった。 雷「おう・・・そうさせてもらう」 飛鳥「みんなを集めよう」 **************************** ロウ「あ~・・・じゃあ二手に分けんぞ」 暗い中での会談。 ロウ「まず、俺のグループ。そして雷のグループに分ける」 一同「了解」 ロウ「まず・・・俺のグループは飛鳥、御影、蓬莱」 ロウの言葉に三人はうなずく。 ロウ「そして・・・雷、白、ルカ、八雲」 皆が納得したのを確認し、次へ。 ロウ「神楽と佐奈はここに残ってもらう事になっている」 神楽「うん」 佐奈「皆気をつけなよ?」 ロウ「じゃあ解散!」 ********************** 森の葉と葉の間を朝日の光が差し込む。 神楽「こっちは気にしないで。なんかあったら連絡する」 ロウ「ああ、じゃあ行くぞ」 大地を蹴る音と葉を踏む音が重なる。 終わった~!!! ちなみに最後の「大地を蹴る音と葉を踏む音が重なる」ってのはのちのちわかると思う(ぇ ではでは!!! |