銀行の役割と特殊性●銀行はどうして経営に失敗しても公的資金でフォローしてもらえるのか?●ただ同然の預金金利でお金を集めて高金利で貸し付けてボロ儲けじゃないのか? ●銀行員の給料は高すぎる!! といった声を見聞きします。 このような見方は、確かに、銀行の一面を語っています。 ただ、全てではないです。 マスコミ的には、このような一面しか述べられていないことも多いので、 少し他の面についても述べたいと思います。 少し前まで銀行が護送船団方式だったことはよく知られていると思います。 銀行は認可業であり、制度や規制で守られている代わりに、 公共性というものを強く求められました。 採算が取れないような地方にも支店を置かなければならない等です。 半官半民とは言いませんが、かなり「官」の部分があったことも確かです。 そして、このシステムがある時期確かに非常に有効に機能して、 日本の高度成長期を支え、経済大国に押し上げたことも間違いない事だとも思います。 ただ、どんな優れたシステムも時が経つにつれ、ほころびが出るものです。 これは金融システムに限らず、明治から始まった官僚主導のシステムや、 大学の教授至上主義システム等にも言えることです。 今はシステムの大きな転換期であり、混乱のさなか、といえるでしょう。 前置きが長くなりましたが、銀行に公的資金を注入するのは、 別に「官」の部分があったからではなくて、シンプルに 「金融不安を起こさせず、不良債権処理をソフトランディングさせるため」です。 結局公的資金を入れなければ、融資先の大手企業-ダイエーやら双日やら、大京やら・・・ がつぶれる事になります。そうなれば、そこに働いている人たちの雇用が失われ、 景気に対しても負のサイクルとして影響してしまうでしょう。 個人のローンは、バブルがはじけても決して免責されることはないのに、 銀行や大企業だけなぜ!?と不満に思いますが、結局これも我々のため、ということになります。 ただし、ここで強く言わなくてはならないのは、 それでも経営者の責任は存在している、ということです。 銀行に公的資金を注入するのは仕方がないとしても、それを受けると言うことは、 経営者に対して、時代をさかのぼってその責任を追及しなければならないはずです。 日本においては、そこら辺が曖昧になっています。 米国では場合によっては刑務所に入れられたり、株主総会でその責任が追及されたりします。 預金金利に関しては、これは不思議な現象があります。預金金利を大きく上げたからといって 必ずしも口座開設数が増えない、といったことも銀行側をつけあがらせている原因となっています。 例えば、ソニー銀行などは、預金金利がかなり高い上に、 為替レートも非常に顧客有利になっているのに、 ソニー銀行に口座開設する人が殺到しているという話は聞きません。 ソニー銀行は決済のできない特殊な銀行と言うこともあるでしょうが、 単に運用したいのであれば、ソニー銀行なんですけどね。 みんな知らないのでしょうか。 銀行員の給料が高い、という件については、最近かなり給与体系が見直されて厳しいものになっています。 ただ、昔も、平均給与を引き上げていたのは役員の驚くべき給与の高さであり、 一般行員はそれほどでもなかったようです。 また、銀行業務とは、別に窓口業務だけではない訳で、高度にプロフェッショナルな業務もあり、 また、高いマインド・モラルも要求されます。 銀行員のモラルハザードも問題なった時期もありましたが、そういう意味でもある程度高い給与は 仕方がない部分もあります。ただし、徹底的な能力給となり、優秀な人にはそれなりに、 になることは当然のことでしょう。 現在は、有能な人材の流出をどう抑えるのか、が問題になっていると思います。 ジャンル別一覧
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