おタコ部屋

2009/02/19(木)21:08

おくりびと(ノベライズ)@百瀬しのぶ

読書(39)

昨日届いたので読了。 薄くて文字も大きいので(爆)読み易いというか、あっという間、です^、^; 映画のシーンが次々浮かんで涙。 字が大きい上に薄いのでノベライズにははっきりいって期待していなかったので今頃の読書ですが、映画のベースとなった納棺夫日記がとっつきにくそうな印象のぶん、納棺という職業に対して目を開き、葬送を考えるとっかかりとしては充分。 愛する人を送ったことがない人でも改めてやさしい気持ちになれると思います。 生の終焉としてある死は悪や悲劇ではないのだと、それは自然ないとなみなのだと思えて、ただなにもせずに生きているより、最後に死が必ずあるのだと認識しながら生をまっとうするのでは同じ年数でもずいぶん違ったものになるのではないだろうかと思いました。 長く生きること=善=幸 ではないと思うの。 老人の孤独死ともこの物語は向き合っています。 幼子を残して逝った母親、若くして終えた女子高校生の生。 男として生まれながら女として生きたかったのに果たせず、独り死を選んだある一人の死。 映画の冒頭でその彼女(戸籍上はおそらく彼)の死と、主人公が出会う。 美しい女性の遺体だと思い、それまでできなかった納棺の作業をはじめて行っていく途中、その遺体が女性ではなく男性だったと知るのです。 女性のからだだと思って振れていたのにあるはずのないものに触ってしまい、動転する主人公とその周囲の反応を笑わせながらも、この時の送りはとても参列者の胸に残るものだったはず。 ■おくりびと(ノベライズ版) 主人公・小林大悟の若い妻役の広末涼子がほんとに若々しくてかわいらしいのです^^ あんな若いおんなのこが遺体といつも接する職業に自分の夫が就いているなんて、拒絶反応があってあたりまえだと思いました。 とても痛いリアクションだったけど、世間はそういうもの。 直接遺体に触れるシゴトじゃなくても葬儀関係者というだけで偏見はあったように思いますし。 それ以前に僧侶に対してだって偏見は一定以上あるんじゃないでしょうか。 ただ生活のためになりゆきでそのシゴトに飛び込んでしまった大悟ですが、その逡巡や苦悩を知らず知らずに笑わせてしまう飄々としたキーパーソンが納棺業者「NKエージェント」の社長、佐々木生栄@御大。 (わー、そーいう名前だったんですね社長ッ!!@@;) 枯れてるようで精力ギラギラみたいな山崎努の演技がスゴイです。 あの社長のインパクトをノベライズでもっと書き込んであったらもっとよかったのにねー。 どんな無残な死体ともまっすぐ向き合ってきた社長です。 だれもそれをしたがらないから、誰かがしなくちゃいけないことだから。 だから自分がするのだと。 独居老人の死の描写はノベライズではさらっと過ぎてしまっているので、映画を観るのが早いです。 文字が大きいのは小学生でも読めるようにという配慮かもしれないし。 とういか読んでもらいたい一冊。 それより納棺夫日記でぐぐっと深いところまで読むのがいいと思いますケド。 ■おくりびと(DVD)26%OFF 3月発売~^ー^♪ ■おくりびと/さそうあきら(コミックス) ……マンガもあるんですねぇ(爆) ど、どーだろう。 読みたい気もする。 ■納棺夫日記増補改訂版 この映画の製作の発端となった本。 エッセイに分類されるでしょうか? 本木君がこの本と出会って感銘を受けて監督に持ち込んだのだとか。 ぐぐっとくるというか、ずどんとくるといいますかね。 ナマでなきがらと出会い続けてきた著者の気持ちがぐいぐいと表に出てくるようだと思いました。 というかまだ最後まで行っていないというていたらくですが、ラスト部分以外はもう読んじゃったんですよ^^; で、そのまま。 ラストを読める気力が奮い立ったら最初から読み直そうと思っています。 ……っていつもそこにあるんですけどね。

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