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スタニスラフ・ブーニン
ブーニンのリサイタルに行ってきました。場所は岡山シンフォニーホール。ちょっと遠い駐車場に車をとめて、ホールまで30分ほど歩くことにしました。
あと30分後にはあのブーニンさんに会えるんだ・・・。
そうドキドキしながら、颯爽と街中を闊歩する私。
開場から20分ほどしてホールに到着すると、私の席はありました。前から17列目の左あたり。少し遠い気がするけれど、ちょうど鍵盤の上の指が見える格好の位置です。前の人たちの頭が邪魔にならない高さと、ピアノと自分を結ぶ空間が一本しっかりとありました。上手に設計されてるんだなあ・・・そんなことを思いながらプログラムに目を通す。
あ、ショパンのワルツ・・。
良かった、これが聴けるんだ。
私の好きな別れの曲や、ブーニンならではの英雄ポロネーズが入っていなかったのは少し残念。
開演時間になり、舞台にライトが照らされて会場がうす暗くなると、急にシーンと静まり返りブーニンの登場を待ちます。
下手側のドアが開いたかと思うと、長身でちょっと猫背のブーニンさんが、大きな拍手とともに舞台に登場しました。
一礼して椅子に座ると、しばし精神集中。。。。タキシード?の裾を椅子の上でヒラリとさせて、演奏は始まりました。
あ、
聞いたことある曲だ・・・。
思わず自分も一緒に弾いているかのように、体が勝手にゆれていました。
ああ~来てよかったぁ~~。
曲の感じは、若いころのブーニンさんの演奏と少し違っているように感じました。
研ぎ澄まされたというよりもどこかしらソフトでやわらかく、波がうねっているような感触です。
平たく並んだはずの鍵盤がぱらぱらと動き回り、追いかける波のように、音が深く深く厚さを持って、指だけではなく、体全体でピアノに向き合っているブーニンさんの姿は、どことなくかわいい。手を放り投げるように伸ばしたり、一瞬顔の前で片手を丸く止めたり、強く両手を振りおろしたかと思うと、前髪をなびかせて天井をあおぐ。
ところどころペダルの無い左足で「ドン」とリズムを取る音を初めて聞いて、演奏はまるでスポーツのごとく全身全霊のパフォーマンスかと感じました。
全曲が終わり、大きな拍手とともに退場したブーニンさんに、鳴りやまない拍手がアンコールを催促しました。
お決まりのこのアンコールも、これがあってこそ、喜びも倍になるというものでした。
花束を持って待ち構える人もいて、拍手とともにアンコールのために再登場。
アンコールに応えて弾いてくれた曲は、ブーニンさんからのプレゼントとも思えて一層嬉しいものでした。それは、手の動きの速さの利いたとても素敵な曲だったのです。
そして退場。
それでも鳴りやまない拍手で、またもや登場してくれましたが、
今度はアンコールの演奏は無く、胸に手をやって深々と長い一礼をして、それから退場。
それでも鳴りやまない拍手に今度はブーニンさんが花束を持って再登場。
そして、あたかもその花束を客席のみなさんに差し出して、「これ上げますから勘弁してください」といわんばかりにまた深々と一礼。
そんなユーモラスな場面もあって、とても素敵でした。
それでようやく拍手はおさまり、私の夢の時間は終わりました。
ブーニンさんは今43歳?!
若い頃と少しイメージが変わって、ロマンスグレーとおひげとメガネのソフトなイケ面さんです。演奏が終わって歩いて退場する時は、前かがみで大股で衣装をなびかせながらちょっとシャイだけどかっこつけて倒れるように歩く・・・と言った感じがなんともロシアっぽくて(^^)
花束を渡したひとりの熟年のおばあさんに、「ありがとう」と言ったかどうかわからないけど右手でゆらゆらとおばあさんの肩を叩いていたのは、ちょっとうらやましかったです・・。私も花束用意しておけばよかったなぁ。。
ブーニンさん、ありがとう。 | |
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リトルモア
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