笑ったり怒ったり・・・

２０２０年９月３０日（水）


９月も今日でおしまい。
そう言えば１０月から酒税が変わって、第３のビールは値上げになるんですよね。
それが結構な値上げ幅らしいので、駆け込みで私の飲む分を発注しちゃいました。
夫は発泡酒なので、値段は変わらないんですって。
一番庶民が飲む第３のビールの酒税を上げるだなんて、悪代官のようですよ政府さん。

今日は朝から素晴らしい晴れ間。
花ござとホットカーペットを天日に干して、季節交代です。


夫が散歩に出掛けましたので、私は家で読書。
午後から散歩に行こうと思って読み始めたのですが本の世界にはまってしまって、結局夕方までかかって全部読んじゃいました。

乃南アサさんのサスペンス「風の墓碑銘」上・下巻２冊。

先日何度も何度も繰り返し読んでいて、またまた読み返した「凍える牙」で登場した「女刑事　音道貴子」シリーズです。
しかもなんとその時の相棒、女性蔑視の権化のようなベテラン刑事「滝沢保」と再び組み合わされてしまう。

文庫本の帯には、「白骨死体、老人殺害、父娘惨殺事件・・・・・それらは　点なのか　線なのか」って書いてあります。
まさに点が線となっていく、展開です。

音道刑事は前回の勤務先立川署から、隅田川東署へと移動していた。
墨田区東向島の築５０年以上の古い貸家の解体工事中に、白骨が掘り出された。
刑事たちが現場を検証すると、もう一つの白骨遺体が見つかる。
音道刑事はさらに小さな頭部の骨を見つける。
どうやら男女の骨と、性別不明の嬰児（もしかして、胎児？）の骨らしい。
骨は２５年も前のものらしく、もう賃貸契約も残っていない。
３体の骨の身元を割り出すことが、音道刑事たちに課せられる。

音道と墨田区東署の刑事は、解体した家と土地の持ち主である「今川篤行」の入っている老人ホームへ聞き込みに行くが、彼は認知症になっていた。
老人の元に日参する音道刑事たち。
ところが、その「今川篤行」が隅田川公園で暴行死体となって発見される。

特別捜査本部が設置され、またもや組み合わされたのが２度と会いたくないと思うほど嫌っている滝沢刑事。

それでも二人で歩き回って調べていくうちに、老人ホームに勤務していた青年とその驚愕の過去が浮かび上がってきて、音道刑事は３体の骨との関連を考え始める。
３体の骨は、誰なのか・・・。

音道刑事の私生活や滝沢刑事の家庭も描かれて、それぞれの人間像が浮かび上がってきて、くっきりと輪郭の伴った映像として目に映ります。

登場するほかの刑事や鑑識の女性、さらにそれぞれを取り巻く人々。
群像劇のようでもあり、人間ドラマの数々を見せつつ展開する事件。

乃南アサさんの筆が冴えて、一行の文章に「それ、私もそう感じる」と思うところがあちこちにあって、真夏の東京が描かれていきます。

さて、我が家にはまだまだ「女刑事　音道貴子」シリーズがあるので続いて読もうかな。
もちろん全部すでに一度読んだものなんですが、少し時間が経つと新鮮な気持ちで読めますね。
次は、どれにしようかな。