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カテゴリ:小姐和中年男的其后
ふ『ライトを点けて!』
C『どこ?これ?』 ふ『うん!だいぶん暗くなったから、この周回で最後にしょう』 C『えっ、もう~』 ふ『うん、もう5時を過ぎだよ』 練習を始めて約1時間半ほど経っていた。 C絵は残念そうであったが、 C『そうね、これで最後ね』 と言った。 6度目の周回だった。 教え方がいいのか(?)1回目よりは2回目、2回目よりは3回目と周回を重ねるほど小生の恐怖感も薄らいでいた。 最後のコーナーを曲がり、スタート地点の路肩に駐車して終わった。 C絵は大きくため息をついた。 C『ふっ~』 ふ『初めはどうなることか、と思ったけど大丈夫じぁないかな』 C『そう?うん、うん』 C絵は自分自身を納得させるようにうなずいた。 小生は運転を代わり帰り支度を始めた。 シートベルトを締め都心へ車を走らせた。 運転しながら小生は言った。 ふ『C絵と一緒に車に乗るのは2回目だね。』 C『うん、覚えている。いっしょに浜町の体育館で卓球をした時…』 ふたりは思い出にふけるように黙り込んだ。 車は新大橋通りにさしかかった。 小生はC絵に訪ねた。 ふ『これからどうする?食事でもしていく?』 C『うん、今何時?』 小生はフロントパネルにある時計を指差して言った。 ふ『もう6時半…』 C『そう?久しぶりに一緒に食事したいけど、もうお店に行かなくちゃいけない。』 ふ『うん、分かった。じぁ店まで送るよ。赤坂だよね?』 C『うん!ううん、今は茅場町。』 ふ『えっ?茅場町?すぐそこじゃない?お店の場所変わったの?』 C『うん、赤坂は他に同じ様なお店がいっぱいあって、競争激しいから…』 ふ『そう…』 小生はそれ以上聴かず、車を茅場町へ向けた。 なぜなら、C絵が言った「競争が激しいから」と言う理由がすぐに嘘だと分かったからだ。 「オイルマッサージを利用したビューティーサロン」 それがC絵がやっている店であった。 けれど、それだけではやってはいけない。 ふたりは黙ったままだった。 しばらくしてC絵が口を開いた。 C『私、あれからずっと考えたの。ふ~よんとは昔のような仲には戻れない。けれど、今も…』 ふ『・・・・』 C『うん、今も一番大切な人だと思っている…』 ふ『そう…ありがとう。』 C『ずっと、これからも一番大切な友達でいられれば…』 ふ『・・・・』 小生は心のなかで(都合のいい話だ…)と思っていた。 C『ごめん…ね。』 ふ『・・・・』 車は首都高のガードにさしかっかった。 C『ふ~よん、ここで…』 ふ『うん…』 小生は車を止めた。 C『今日はありがとう。教え方も上手いし…』 ふ『どういたしまして…』 C絵はバックからなにやら取り出し C『これ、お礼に…』 ふ『なに?烏龍茶?』 C『ジャスミン茶』 ふ『ありがとう!』 C『これで本検定頑張れる!』 ふ『うん、頑張って!で、本検定はいつなの?』 C『来週の日曜…』 ふ『うん、じゃぁ、免許取れたらメール入れて。』 C『分かった!じゃあ…』 C絵は車から下り、手を振った。 小生はそれに軽く手を上げ応え、車を走らせた。 バックミラーでC絵が路地に消えていくのが見えた。 1週間後の日曜日の夜、C絵からメールが来た。 C『おかげさまで、免許取れました。』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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