北京五輪陸上男子ハンマー投げで、銀、銅メダルを獲得したベラルーシの2選手が五輪のドーピング検査で陽性反応を示したことが分かり、5位の室伏広治(33)=ミズノ=が銅メダルに繰り上がる可能性が生じた問題で、国際オリンピック委員会(IOC)から日本オリンピック委員会(JOC)などに4日夕時点で正式な通知はなかった。違反があったかどうかの判断は、今後数カ月を要する可能性もある。
日本陸上競技連盟が国際陸上競技連盟(IAAF)に問い合わせたところ、IOCからの連絡はなかった。通常IOCは違反が確定した時だけ関係機関へ通知する。室伏は所属先を通じ「正式な連絡はありませんので何ともお答えできません」とコメントした。
2選手は筋肉増強効果のあるテストステロンの数値に問題があったとみられている。この物質はいわゆる男性ホルモンで、ある程度の量は体内に自然に存在し、濃度や関連物質との比率は多少の個人差がある。
日本アンチドーピング機構の浅川伸事務局長によると、ドーピング検査で検出された濃度や比率、性質だけでは人工的に薬物を摂取したかどうか判断できない場合、さらに検査を繰り返した上で判断することもあるという。今回のケースでは検査結果などは明らかにされていない。【