*人はかわれるかもしれない*

2011/12/10(土)09:54

高校入試の朝

  部屋の目ざまし時計の音が、いつまでも鳴っています。息子は起きてきません。   昨夜12時ぐらいまで、部屋の明かりがついていたけど、その後消えて、寝たかどうかは   わかりません。「起きて来ないのかな?」と思いながら、朝食の準備をしていました。   部屋を見に行くと、布団を頭からかぶって寝ているみたいでした。   「朝だよ」と一声かけて又リビングに戻りました。息子の返事はありませんでした。   夫も心配そう顏をしていました。5分位たって、夫が息子の部屋に行こうとした時、   ドンとベットから降りる音がして、息子が起きてきました。   その後は、何もなかったように、淡々と支度をして、試験を受ける高校に余裕をもって   車で送って行くことができました。   1日目は、5教科の学力テストがありました。時間通りにむかえに行くと、しばらくして   息子が、疲れたような顏をして、出てきました。   「数学、みんなが出来たっていう問題、間違えた。」って落ち込んでいました。   あまり会話もなく、家に帰りました。   2日目は面接です。その日は覚悟が出来ていたのか、朝もすんなりと起きてきました。   面接が終わって出てきた時は、「うまく、答えられた。」ってすっきりした顔で出てきま   した。   きっと、1日目の朝、息子は葛藤していたのだと思います。   みんなと一緒の授業はほとんど受けていません。それで、数回、学校へテストを受けに   行って、それなりの点数はとっていたけど、内申もよくないし、出席状況も悪い、それに   テストに自分の全く習っていないところが出題されるかもしれない・・・   どうしようって、それは不安で一杯だったんだと思います。   でも、どうしてもこの高校に行きたいという気持ちがあったから、勇気を出して、試験を   受けることができました。   結局、通えなくなって、半年でこの高校をやめることになりましたけど、試験を受けた   こと、合格したこと、入学して通ったこと、は決して息子の人生にとって無駄な経験では   なかったと思います。   たとえ、本人にとって、不本意な結果になったとしても、成長の一つの糧にはなったと。   今、息子はいたって元気です。穏やかに暮らしています。   高校入試は、その時はすごく大きい出来事で、人生の岐路のように思っていたのですが   そうでもないような気がしています。って、娘の時もそう思えるかどうかは疑問ですが   よく読ませていただいていた掲示板に、どなたかが書かれていた言葉で、   「高校入試はその時は巨大な岩のように思っていたけど、過ぎてみればなんてことない   ただの石ころだった。」って書かれていたのを、今思いだしました。   そして、私も何の感傷もなく、この時の事を振り返ることができた事に、自分の心の変化   を感じました。   書くということで、自分の心の中も、少しクリアーにすることができたようです。   

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