リセット

2007/03/08(木)00:55

[RESET]PART IIー後継者

RESET[伝説継承の章](108)

サクとシン、そしてセータは寺院へと向かい、 代々伝わるという瞬間移動の術に挑戦する。 サク:「いいか、住職の気持ちを重んじるんなら、身を削るつもりじゃないと無理だろ う、しかし、住職にはないこのチップが判断を降す可能性も高い。 だから…」 シン:「わかってるよ、住職の経験値とチップの判断で造られる奇跡ってやつでしょ」 そう、それは、住職にも予想出来ないチップによる偶然が含まれていた。 機械を多く取り入れるやり方もあるが、奇跡は起こらない。 発達、進化を止めないエレクトロニクスの分野では、 開発の中に奇跡を起こす可能性も秘めている。 偶然からくる開発も技術陣が歓喜を抱く瞬間でもある。 しかし、恐ろしいのは望まれて出来た奇跡よりも、仕組まれた偶然なのだ。 率直にいうと、「罠」である。 うまくいく背景には、偶然か、金か、それにかける時間である。 時間があれば、丹精込めた力作が生まれ、理想のハードが完成するに ちがいない。 時間がないという状況は、納期が決まっていて、 時間内に完成させるという場合は、ごくマイナーなパーツ的なグレードアップか、 バグ処理で賄うぐらいにしかならない。 問題なのは、金によって開発費用を、よりすぐれた人材に宛て、 優れた逸品を造らせる。 金によるという部分が、後に価格に反映されるから、 買う立場においても限られた者しか味わえない技術となる。 金をかければいいもの、というのがひっかかる部分で、 安価な物はそれなりと判断するのが自然だ。 チップを経由した術には、金はかからないが、技術と時間を要する。 基本的には高度なやり方なのにボランティア的な行動。 世界を救うのに金などかける意味がない。 金をかければいいという事ではないのだ。 最終的な判断は開発陣の気持ち次第。 サク、シン、セータには金という文字は一切頭にはなかった。 それだけの熱意を感じた。 寺院に到着すると、3人は同時に気を感じた。 セータ:「何だかいやな予感がする」 サク:「俺もだ、何かいけないものを感じる」 シン:まさかなあ…」 そのまさかが、目の前にあるのか? 3人はバラバラになって、寺院のまわりから探り、左右から寺院を入った。 しかし、何も起こらないまま、中央の本堂に3人はたどり着いた。 サク:「おかしいな、確かに感じたんだがなあ」 セータ:「今でも感じてるよ、ここに何かあるよ」 セータだけが特に強い気を感じた。サクとシンのキルには反応がなかった。 これはどういうことか? 「それは、開発者がキル使いだからだよ、諸君」

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