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ロシア生活2004-2012

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koshka0467

koshka0467

2006/09/14
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カテゴリ:ロシア語
うちの大家さんと話していると、
よく「シカールヌィ」という単語が出てきます。
曰く、

「彼はそのときおみやげを持ってきてくれたんだけど、
 それはシカールヌィな箱に入っていた」

「彼女がカフェを借りて開いた誕生パーティーは
 とてもシカールヌィだった」

「マリインスキー劇場に
 バランシンの『ジュエルス』を観に行ったら、
 衣裳や舞台の飾りつけが
 それはそれはシカールヌィだった」(注*)

といった具合。
研究文献ではまずお目にかからない単語なので
おそらく口語的用法なのでありましょう。
我々の言葉でそのココロを置き換えるならば、
リッチ」といったあたりが
ぴんと来るのではあるまいか。

ところが後になって辞書を引いてみると
シカールヌィ=シックな、粋な
という意味だというのです。
なるほどたしかに、本来はそういう語義なのでしょう。
しかし、上の大家さん発言での口語的用法では、
明らかにもっと意味が広がって、
すごくよかったものを誉める言葉になっていると思います。

おもしろいなと感じたのは、
そういう誉め言葉が、
「シック」という単語から発生していること。
我々にとって、「シック」ってそんなに
誉め言葉の横綱になるような形容詞じゃないのに、
ロシア人からするとその語感が
美的な価値基準の根っこと響きあうのでしょうか。
ロシア人はオトナの落ち着いた美しさを尊ぶ、
コンサバティヴな人種なのかもしれません。


(注*)バランシンの『ジュエルス』は
 「エメラルド」「ルビー」「ダイヤモンド」の3幕からなる
  20世紀、ミッドセンチュリーのアメリカのバレエ作品。
  各幕がそれぞれの宝石を思わせる、
  華やかな衣裳と舞台装置に彩られる。
  最近、パリ・オペラ座のDVD(海賊版)がモスクワ上陸。
  留学終了間際に滑り込みで入手できたので嬉しいワタクシ。





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Last updated  2006/09/17 09:56:13 PM
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