2006/05/11(木)22:25
言葉は世界を疾駆する
見上げる夕空 あなたの横顔
気まずそうな夕日の輝き
川風に舞う涙
かみしめる唇
握りしめる指に剥がれそうな付け爪
激しく胸をたたく鼓動
手から伝わるあなたの温もり
開けた胸元に
初夏の夕風がかすめる
掴んだ想い出を詰め込むように胸に当てる
面の浮かぶ真っ赤な光
捕まえられない流れる夕日
また去っていく今日の河面
消え入る闇に埋める夢
敷いたままの冷たい情念
知の明かりをつけ
血痕の付いたを時間を沸かす
散らばった思考を手が痛いほど握ると
自虐的な文字を破り捨てて 地域の心髄に投げる
痛み出した歴史の軋みを手に
極壁にもたれ掛かれば
今宵も言葉は寡黙に世界を疾駆する
今夜も言葉は寡黙に世界を疾駆する