2006/05/11(木)23:33
親鸞 時代情況
思想形成には、思想の系譜、思想家の知りうる知識、
個人の環境や思惟力、資質などが影響せざるを得な
い。と同時に、当の現実社会がどんな情況で、何が求め
られているかという社会環境も一つの大きな要因だ。
親鸞は鎌倉の戦乱、文応元年(1260)の飢饉、厄災
や正嘉元年(1257)には関東南部にM7.0程度の大地
震で、社寺や家屋が全壊し地割れが起きるなど多くの民
衆が死亡。三陸沖の津波や不作続きの数年は親鸞の
思想深化に大きく影響している。
加持祈祷を旨とする天台宗、真言宗はの無力さ、壮麗
な寺院、仏像は一文の値打ちもないことが分かってい
た。天災は人の力ではどうにもならず、飢えて死ぬか餓
死せずに生きられるか。この切実な情況下での浄土真宗
の思想形成を迫られた。