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　宮城県亘理町で００年８月、自衛官の男性を首つり自殺に見せかけて殺害したとして県警は３日、殺人容疑で▽男性の妻で那覇市安謝、パート社員、高橋まゆみ（４９）▽仙台市若林区連坊小路、会社役員、菅田伸也（３１）－－ら５容疑者を逮捕した。県警によると、いずれの容疑者も容疑を認めているという。被害男性は当時の県警の検視で自殺と判断されていた。県警の阿部信三郎刑事部長は「誤認検視であると判明し、誠に遺憾。再発防止に取り組む」との談話を発表した。



　逮捕容疑は００年８月６日、亘理町の自衛官、高橋光成さん（当時４５歳）方で、自殺に見せかけて高橋さんを殺害したとしている。



　捜査関係者によると、消防署員が高橋さん方に駆け付けた当時、遺体は首をつった状態ではなかった。しかし県警亘理署員２人は現場を見ず病院で遺体を検視。まゆみ容疑者が「帰宅したら台所で首をつっていた」と話したことなどから自殺と判断。司法解剖をしなかった。ただ遺体の首付近に血痕が付着しているなど不審な点はあったという。



　菅田容疑者はまゆみ容疑者が仙台市内の飲食店でホステスをしていた時の客。既に▽９９年に東京都中野区のアパートで知人男性（当時３１歳）の首を絞めるなどして殺害した▽０４年に仙台市の飲食店経営男性（当時３０歳）を殺害し現金を奪った－－などとして、仲間の暴力団組員らとともに殺人や強盗殺人罪などで起訴され、県警に拘置されている。逮捕された仲間の供述から、菅田容疑者がまゆみ容疑者らと共謀して高橋さんを殺害し、保険金を受け取っていた疑いが浮上したという。



　検視段階で自殺と判断されたのに、後になって事件性の疑いが浮上するケースは、首都圏と鳥取で発覚した連続不審死事件でも問題化。警察官が遺体を見ただけで事件性の有無を判断する現在の検視制度は「犯罪見逃しの要因」と指摘されており、警察庁は検視の強化を検討している。

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