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カテゴリ:最近観た展覧会
企画展の「鑑賞後」や「鑑賞前」に見ると、ものすごく疲れます。 作品数が多いので、解説を読みながらじっくり鑑賞するからだと思います。 というわけで、石川県立美術館では「企画展」と「(同時に開催されている)コレクション展」は別の日に観るようにしています。 友の会の会員なので、コレクション展は会員証の提示のみ(無料)で観られるから可能なのですが、 ありがたいことです。 東京で開催されている美術展は、2~3ハシゴできるのに不思議です。 東京では、特別なアドレナリンでも出るんでしょうか笑? 今回のコレクション展で、特によかったと感じたのは、以下の2つの展示です。 ---------------------------------------------- 前田育徳会尊敬各文庫分館 婚礼調度と遊戯具 ■概要 今回は、溶姫の婚礼調度と香道具の中でも遊戯具を中心に展示します。 婚礼調度とは、婚礼の際に整えられる嫁入り道具であり、姫君や女中が日々の生活で使用する品々等を指します。 本展では、第11代将軍・徳川家斉の子女であり、加賀藩13代藩主・前田斉泰に嫁いだ溶姫の婚礼調度をご紹介いたします。 文政10年(1827年)11月27日、溶姫が江戸城から本郷の加賀藩邸へ移る「引き移り婚礼」が執り行われました。 この際、使用された婚礼調度は1246点、長持だけで200棹近くにも及ぶとされ、その一部が現在も前田育徳会に所蔵されています。 今回はその内、拾貳手箱、厨子棚、源氏箱など計14点を展示します。 香は仏教の伝来とともに日本に伝えられ、主に仏事の供香(ぐこう)として用いられました。 平安時代になると薫物合(たきものあわせ)といい、香りの優劣を競うようになり、室町時代には香道として体系化されました。 今回出展する《桑十組盤》や《四種盤》は盤立物の一種です。盤上に置かれた駒を香の判別に応じて動かし、勝敗を競って遊びます。 極めてゲーム的要素が強い聞香の一種で、江戸時代に流行しました。 このように、婚礼調度と遊戯具はどちらも日々の暮らしの中で使用されてきた作品です。 当時の生活を身近に感じ取っていただければ幸いです。 特別陳列 メイジ・スタイル ― 石川から世界へ ― ■概要 明治維新は政治、社会や生活などに激変をもたらしました。 石川県では江戸時代以来、高い水準で工芸品が盛んにつくられてきましたが、明治維新のあおりを受け、旧来のパトロンである武士階層がいなくなると、職人達は窮地に立たされました。 しかし、明治5(1872)年、兼六園内で開催された金沢博覧会を皮切りに、金沢区方勧業場(のちの石川勧業場)、金沢工業学校(のちの石川県立工業高等学校)など、 工芸(工業)を保護育成する機関の設置や、銅器会社や九谷陶器会社などを中心とする工芸を国内外に販売する企業の設立など、国策としての殖産興業の動きに敏感に反応します。 その結果、藩政期以来の工芸品の保護、育成、継承、発展に努めた結果、後に多く工芸作家を輩出するに至ります。 その中でも、寺井町(現・能美市)の九谷庄三が確立した「彩色金襴手」の上絵技法を用いたやきものが欧米諸国へ輸出されると高い評価を受け、 「ジャパンクタニ」と呼ばれるようになり、輸出陶磁器の中心となります。 本展では、明治時代に石川県から輸出された工芸作品が、輸出工芸の主流となっていたことに着目します。 明治の輸出工芸の様式、すなわち「メイジ・スタイル」として、制作されていく工芸作品を、図案や作品から再考するものです。
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最終更新日
2023年02月08日 08時21分08秒
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