薔薇・猫・映画・演劇・旅ファン

2007/06/05(火)16:05

ツォツィ

映画(312)

玉三郎がHPでこの映画を褒めていたし評判になっているので鑑賞した。私は元々社会派的な作品が好み。   ダブルは赤ちゃんが尻尾持っても怒らない温和な性格。パパに似ている。この映画も赤ちゃんが重要な役割果たす。  以前アパルトヘイトを描いた映画「遠い夜明け」を観てから20年!この作品は原作がアソル・フガード。アフリカーナの母とイギリス人の父の間に生まれたが反アパルトヘイト活動でパスポートを没収されたこともある、劇作家、舞台、映画俳優、演出家。日本でも文学座や劇団昴により「谷間の歌」「血の絆」「ハロー・アンド・グッバイ」が上演されている。  監督のフッドが「どんな人生にも救済とセカンドチャンスがあることを描きたかった」「人を許し、罪を償い、融合しようとしている」と言うとおり希望がみえる。15歳以下不可というのは惜しい。  残酷名非道なアパルトヘイト廃止から10余年だが今も差別と経済格差に苦しむ南アフリカの人々。主人公は本名捨てて、ツォツィ=不良と呼ばれている少年。裕福な夫妻から車を盗んでしまうが、そこに赤ちゃんが残されていて、彼の心に幼い日を呼び戻す。新聞紙をオムツ代りにしたり(やるね)可愛い少女のような未亡人におっぱいを強引に頼んだり彼なりに奮闘する。誰でも授乳のシーンにはやられてしまうだろう。彼女も始めは胸を開けないようにするのだが…そして白いシャツに着替えた彼はやるべき事をする。赤ん坊を奪われた父の行動、知的な俳優の顔がいい。  その土地の人々の切実な問題を提示する映画、演劇が作られ皆がそれを観て感じたり行動できたら…今の日本の青年も生き難い問題を抱えている。皆が貧しかった戦後の子供や不幸なはずの戦地の子供の表情が明るかったりする。違いを責め立てたり、追い詰めたりばかりしない、寛容の気持ちを持ちたいものだ。 赤茶

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