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くもり。
最近、ウチの会社の男女比率が変わった。まあ、急激に変わることのできる人数しかいないということなのだが。 私が入社した当初、「女の子が多い会社」で通っていた。しかし、今は男の方が一人多い。まあ、社長を男としてカウントした場合だが…。 男が多かろうが、女が多かろうが居心地的にはどちらでもいい。でも私の業界のように、労働条件が悪い職場は、女が多い職場の方がいいだろうと思う。女が多い職場は、女に不利になることが少ないからである。 そう思うのは、以前の会社がひどかったからだろう。今考えても自分がかわいそうになる。そこでは男女平等の通常労働に加え、「女子の仕事」があった。 1.朝は台所のぞうきんの洗濯・ポットの洗浄・社長室の新聞整理・ぞうきんがけ2.社長が来たらお茶出し3.来客の応対・お茶出し4.夕食の出前の注文とみんなのお釣りを配る5.すべての電話は女子がとる 最後の電話は本当にきつかった。雑誌を作っていたので、お店から観光協会、民宿をはじめ、カメラマン、ライター、イラストレーター、どこぞやの読者から一日中とめどなく電話がかかってきたのだ。さらに、私は貧乏クジを引いていた。来客の応対を真っ先にする場所に座っていたのだ。受付嬢でもないのに、受付係である。これまた色々なセールスがひっきりなしにやってくる、と思ったらどえらい出版社の偉い方もやって来るし、ピンもキリもまとめてお相手である。 私は結構我慢した、はずである。しかし「テメーらえーかげんにせえっちゅうねん」というたまりにたまった怨念がふつふつと沸いてきたのである。だって、自分よりペーペーの男が、どんなに電話が鳴り続けていても悠然としているのだ。心を許せるはずの同期に訴えても「心が狭い」とさえ言われた。みんな自分に火の粉がふりかからなければオーケーなようだった。 一時、女子が激減して本当につらくなった。ついに年増の女上司に訴えてみたところ、「だって電話の声が女の子の方が相手の印象がいいでしょ」とのたまった。「じゃあ夕飯の出前くらい男子にやらせては」と言ったところ、「食事の支度は女子でしょ」的なコメントである。アホか、オレはこやつらの女房ちゃうんじゃい!テメーいつの時代を生きてるんじゃと(心で)叫んだ。 さらにこの会社、非常にヘビースモーカーが多かった。さまざまなストレスに打ちのめされ、我慢したあげく、とどめに煙を浴びせられる…ああ惨めだったなあ。ぐすん。 そんな中で、隣の席になった男の後輩は、私をサポートしてくれた。来客があると私を通り越して、自ら受付係をする。電話も出る。出前も取る。自ら前例を破ってくれた男子であった。現在、その子も前の会社を辞め、私の会社に来てくれて、また一緒に働いている。私の同僚であり親友である。 その以前の会社とは、今でも個人的に仕事の依頼が来る。そして、今では完全に男女平等、むしろ逆転気味である。フロアも完全禁煙。当時の先輩には「あのときのお前はノイローゼ気味だったよなあ。でも、あれで変わったのかもしれんなあ」と言われる。あ~あ、なんだかなあ…と行くたびにうらめしくなる。 こんなことを考えたら、男尊女卑の時代ってさぞかしイヤだっただろうな~。たぶん私は、ほんの少しまだそれが残っている時代に、社会に出たのかもしれない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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