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カテゴリ:Movie
タイタニック号海難事故を扱った映画は数あれど、本作はおそらく一番地味な作品ではないだろうか。スペクタクルシーンもあるにはあるのだが、どちらかというと船内での人間ドラマに重点が置かれている。監督のビリー・ヘイルは『刑事コジャック』などを手掛けたTV界の人。本作は元々TV映画として製作されたもので、わが国では劇場公開された。 1912年4月10日。豪華客船「タイタニック号」が英サザンプトン港を出航した。目指すはニューヨーク。タイタニック号を所有する船会社の専務ブルース・イズメイ(イアン・ホルム)は上客への挨拶で忙しい。しかし最初は順調だった航海に変化が起こりはじめる。気温が急激に低下し、小さな流氷が姿を見せ始めたのだ。そして前方に巨大な氷山が現れる。 例によってタイタニック号の船内は一等から三等に分かれている。一等はもちろん富裕層の乗客で、富豪ジョン・アスター(デビッド・ジャンセン)と若妻マデリーン(ビバリー・ロス)など。二等は中産階級の客で、教師のリー(スーザン・セント・ジェームズ)と船内で知り合った青年ローレンス(デヴィッド・ワーナー)によって描かれる。三等は貧しいアイルランド移民たちで、マーチンとロザリーンの二人が恋に落ちる。事故が起き、船の沈没が始まると避難が開始されるが、元々不沈艦を自負していたので救命艇が少ない。まず一等の女性客、続いて二等、三等の順で避難が始まり、三組の男女はそれぞれ離れ離れになってしまう・・・。 ストーリーはお馴染みなので、やはり役者の演技に尽きる。この中では一番有名なデヴィッド・ジャンセンが公開当時は注目されたが、特にどうということはなかった。それよりも悪役の多いデヴィッド・ワーナーが非常に善良で大人しい青年を演じていたのが妙に印象的だった。それと私の好きなイアン・ホルム。女性客を避難させている救命艇に乗り込み、周囲から避難の眼差しで見られて震えるあたりなど、小心さを見事に表現していてサスガであった。 以前はDVDが出ていたらしいけど、今はわからない。イギリスのTVらしく非常に地味ではあるが真面目な良い作品だと思う。DVDを買うほどではないが、TV放映されるようなことがあればもう一度観たいものだ。 監督:ビリー・ヘイル(ウィリアム・ヘイル) 製作:ルー・モーハイム 脚本:ジェームズ・コスティガン 撮影:クリス・チャリス 音楽:ハワード・ブレイク 1979年・イギリス / 103分 / 評価:3.5点 / 子供:○ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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