1月4日(その2)「先生からこの後お話があります」そう言われ、小部屋へ。 「力斗君がこうなった原因はわかりません。3日程前からむくみはありました。でもおしっこがちゃんと出てたので大丈夫だと思いました」 「急にこうなったのではなく、徐々にこうなったのだと思われます。ボディブロウのように、少しずつ。で、今回一気に来てしまったと思われます。」 そういえば、12月から心拍が落ちたり、呼吸器が外れて心臓が止まったり、兆候はあった・・・ 「呼吸(呼吸器とか)とは関係ないのですか?」「関係ありません」 「力不足で、申し訳ございません・・・・・!」 先生達は頭を下げた。 死亡診断書にはこう書かれていた。 1.死亡の原因 (ア) 直接死因:低酸素血症 (イ)(ア)の原因:うっ血性心不全 (ウ)(イ)の原因:像帽弁閉鎖不全 (エ)(ウ)の原因:完全型心内膜床欠損症 2.直接死因に関係しないがI欄の傷病経過に影響を及ぼした傷病名等 CHARGE連合、気管軟化症 そしておもちゃなどの荷物をまとめた。 「お母さん、抱いて帰りますか?」 「いいんですか?」 「赤ちゃんだから大丈夫です」 私は力斗を抱っこした。重かった。 どこどこどーもくんの絵本は病院のものだったが、無理言ってもらってきた。 先生もいやとは言わなかった。 力斗が大好きだったから。一番好きだったから・・・・ 「お世話になりました」 先生も看護師さんも玄関まで見送ってくれた。 夜中の3時過ぎだったろうか?時間ははっきりとは覚えてないが、寒かった。 皆さんが深々と頭を下げた。 私は力斗を抱っこして、初めて力斗と一緒にパパの車に乗った。 「りきちゃん、パパの車だよ!良かったね良かったね・・・」 力斗が死んだという事実よりも、力斗と一緒にパパの車に乗れたこと、 そして生まれて初めてドライブできたこと、そっちの方がうれしかった。 そして1時間ほどのドライブの後、我が家に戻ってきた。 「りきちゃん、お家だよ。お家だよ。初めてのお家だよ!」 うれしかった。うれしくって涙が出た。 やっと帰ってきた。やっと力斗と一緒に家に入れる。嬉しかった。本当に嬉しかった・・。 生まれて初めて親子3人で川の字になって寝た。 でもパパも私も寝れなかった。興奮して。寝るのがもったいなくって。 幸せだった。力斗はただ寝ているようだった。 時が止まればいいと思った。永遠に・・・・・。 ジャンル別一覧
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