全て
| カテゴリ未分類
| 花男長編小説『*I've missed you.*』
| 花男ファンに捧げる36のお題
| 花男短編小説
| 花男パロディー小説
| 花男長編小説『*ダ・カーポ*』
テーマ:花より男子(76)
【柚】
花沢さんと西門さんが部屋から出て行った。 あたし達だけで話せるようにと、気を利かせてくれたみたい。 あたし達と彼らとは距離があったし、あたしは拓と話してたから、あっちの話が全部聞こえてたわけではないけど… 道明寺さんが喚きだしてからの会話は、だいたい聞いていた。 なんか、あたしの名前とか出てたし。 ママも、勝手に余計なこと言わないでよねっ! 「柚……」 そうこう考えている内に、ママと道明寺さんがやってきた。 道明寺さんは、やって来て早々あたしの名前を呟いた。 なんだか緊張する。 実の父親だということが明らかになったからかな? これまでだってお父さんだろうとは思って接してきたけど、やっぱり真実が伴うと、気持ちの重みが増すのね…。 「なに…?」 無意識に、道明寺さんから目をそらして俯いてしまいそうだった。 だけど、そこを堪えて、怖ず怖ずと道明寺さんの顔を見上げた。 すると、そこにあったのは、何となく不安げな顔……。 「ど、どうしたの…!?」 あんまり不安げな表情の道明寺さんって見たことがないから、ビックリした。 「…お前、俺のこと嫌いか?」 はぁ!? ……あぁー…さっきママが言ってたことを気にしてるのね。 そんなこと言ったって、自業自得じゃん。 あんな態度取っといて、好印象求めようってのが無理な話なのよ。 「あれは…ほら、単なる第一印象であって… その…、今は別に嫌ってない、よ。」 「…柚、遠慮しなくたって良いのよ。 どうせこいつ、昔も今も変わらず自己中で俺様なんだから!」 「牧野っ!お前、余計なこと言うんじゃねぇ!!」 確かに…余計なことだわ。 今この状況で話を拗れさせてどうすんのよ…。 せっかくのお話タイムがなくなっちゃうじゃん! あたしは、目でママに訴えかけてみた。 …が、鈍いママは、あたしの想いに全く気付かず。 「何よ、ホントの事じゃない。 だいたいね、さっきのことにしたって何なのよ? こっちはあんたの都合に合わせていちいち引っ越しなんて出来ないっつーの!」 「「引っ越し?」」 呆れ顔で黙って見守っていた拓が、久々に口を開いた。 …しかもハモった。 「2人だって、いきなり引っ越せとか言われたら困るでしょ? しかも、ここに越して来いって言うのよ。意味解んないわよねっ。」 「何言ってんだよ、東京越してくるときよりも大分マシじゃん。 田舎育ちの俺としては、東京って憧れないでもなかったけど、実際来てみるとなんかなぁ…。 アパートは前に住んでたとこより狭くてボロいしよー…。 それに比べてここは部屋も広いし、庭も広くて良くね?」 「何言ってんのよ、拓! そんなこと言ったら、道明寺が調子に乗るでしょ!!」 「俺は自分の気持ちを述べたまでじゃん。 つーか、柚も“お嬢様”になる気満々だったぞ。」 あ、あたし!? 別になる気満々…ってわけでもなかったんだけど…… ちょっと想像してみただけって言うか……。 「ほら、聞いたかよ。 お前だけじゃん、嫌がってんの。」 「そんなこと言われたって… そもそもあたしだけ反対してると言っても、うちじゃあたしが1番権力強いんだからっ!」 「お前は子供の夢も聞いてやれねぇのかよ。」 「子供の夢をいちいち叶えてやってたら、あんたみたいなワガママになるのがオチでしょうが!!」 いやいや、夢…って程でもないんだけどね。 ちょっとした憧れよ! 「でもお前、そろそろ諦めろよ。今更ウダウダ言ったって遅いぞ。」 「……それ、どういう意味よ……?」 「さっき言っただろ?今日中に荷物届くって。 アパートの部屋だって、今頃引き払われてるよ。」 道明寺さんの勝ち誇ったような表情とセリフに、ガクッと項垂れるママ。 それにしても道明寺さんってやっぱり凄いのね。 だけど、他人名義の部屋を勝手に解約したりしちゃって良いのかな…? まぁ、いっか。 あたしだって、自室というものが欲しかったんだもの。 ママと同室じゃ、少なからずプライバシーというものが侵されてるわ! あたしは、今夜から始まるであろう新生活に胸を躍らせていた。 続く。。。 *あとがき* …うあ、3週間振りだよ、これ更新すんの(((;´Д`)))アワワワワ... しかもくだらねー…。 60話書いたのいつだろう……随分昔な気がする(´・д・`) ぇ ↓良かったらランクリお願いします♪ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006.09.09 20:40:26
[花男長編小説『*I've missed you.*』] カテゴリの最新記事
|