里山暮らし、ときどきヨーロッパ・ロングステイ

2010/07/13(火)22:31

ウンブリアのワインの星

イタリア・ウンブリア田舎暮らし(39)

四百年前の貴族の館、ウンブリアのワインの星と呼ばれている ルンガロッティ一族の家です。 家宝のコレクションが膨大な資料と共に並び、 醸造から歴史まで一望できる「ワイン博物館」になっています。 先日ご紹介した「オリーブ博物館」から徒歩数分、 トルジャーノといったら、この「ルンガロッティのワイン」なんです。 案内して下さったのは、シニョーレ・Kのお姉さんR子さん。 フランス留学から在日フランス大使館勤務を経て、 ご両親と一緒にイタリアに住み着いて二十年以上。 今ではウンブリアのオリーブ畑付きの大きな一軒家で、 「正調・イタリア田舎暮らし」をなさっています。 リミンの「田舎暮らしごっこ」とはチョイと違う「正調」ね♪ 難関といわれているイタリア・ガイド資格もお持ちなのに、 とても控え目で謙虚、そして博識な勉強家、 そのお人柄に、私は、魅了されてしまいました。 そのお姉さんにご一緒して頂けることになり、 私がウンブリアに行ったら、必ず行ってみたいと思っていた トルジャーノへの小さなドライブ旅行が実現したというわけです。 葡萄畑、オリーブ畑、トリュフが採れる森、 ウンブリアは豊かな大地の恵みの宝庫でした。 テルニからナルニ周辺、アメリア、オルヴィエート、 ペルージャ、アッシジ周辺からトラジメーノ湖一帯、 そしてアッシジから南へ約10キロ、ここトルジャーノが 「ストラーダ・デル・ヴィーノ」と呼ばれる「ワイン街道」です。 ウンブリアは11のDOC(統制原産地保障ワイン)と、 4つのDOCG(統制保障原産地呼称ワイン)を抱えています。 トスカーナのキャンティにはマーケティングで遅れをとっているものの やっぱりココでは「トルジャーノ・ロッソ・リゼルヴァ」(DOCG)が人気かな~ これは↑「チャルタ」という焼き菓子を作る型。 それぞれ、一族の紋章が入っています。 かつては、全聖人の日や、お祝いの日に、このチャルタと共に、 「聖なるワイン」として、パッシート (陰干した干し葡萄で作るワイン)が、 町の人々に振舞われたそうです。 今ではチャルタも、たまに結婚式の引き出物に使うお宅があるくらいだとか。 お菓子の模型見本がありましたが、風月堂のゴーフルみたいなもの?かな。 ま、ワインに能書きは、あまり必要ないかも‥ この「恍惚の表情」が、全てを物語っていますね♪ トルジャーノからの帰り道、 ルネッサンス時代から続くイタリア最大の陶器の町「デルータ」で 私はデルータ焼の飾り皿を一枚買いました。 昔ながらのデルータ焼の模様。 こちらも孔雀のモチーフ同様、ローマ時代以前の エトルリア文化が色濃く反映されているとのことでした。 そして‥ ウンブリアで一番感動したワインが、 シニョーレ・Kが、自分の畑で葡萄を育て、 愛情込めて作り上げる自家製ワイン! リミンたちのアパートで、 日本のお母さんの味「カレー・ライス」食事会を開いた際、 K家・ワインをお土産に頂きました。 K家・ワインは、ほぼ600リットル、瓶にしておよそ1000本弱を 毎年、自分たちのために作っているそうです。 奥さんのAさんはサルデーニャ島の女性。 デザートのケーキも毎日家で焼くそうですが、 このカプリ風チョコレートケーキ、外側カリッ、中シットリ 甘味を抑えた大人の味、絶品でした~☆ ちなみに、シニョーレ・Kは、横浜生まれ。 イギリスの大学に留学後、イギリスの旅行会社で活躍。 奥様との出会いもそこで、職場結婚なんですって! その後、フランス、ベルギー、スイスなど移り住み、 最終的に本拠地として選んだのがイタリアだったとのこと。 過去40数年のうち『日本に行ったのは二回です』という。 やがて、ご両親やお姉さんもイタリアに移住して、 一家揃って、ウンブリア田舎暮らしの達人です☆ 美味しいものを食べるためにだけでも、 飛行機に乗って出掛けて行く価値があるといわれる いにしえの土地「ウンブリア州」です☆

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る