「朱色」にみる和の文化
ここ数日、三回に渡り、西会津の「正調・里山暮らし」を、お届けして参りました。今日は、ご本家「会津若松」創業三百年の老舗「白木屋漆器店」さんをご紹介いたしまして西会津とお別れいたします。店内が暗いので、写真で良くお伝え出来ないのが残念ですが、漆塗りの美しさには目を見張るものがあります。外国人が陶磁器のことを「チャイナ」と呼ぶのと同じように、漆器のことは「ジャパン」と呼ぶそうです。陶器も漆器も、元はと言えば中国のものですが、日本の漆器、特に朱塗りの美しさは、海外でも有名で、「日本の赤」といえば、漆器の「朱の色」を指すまでになっています。そんなことを思い出しながら、店内を見て回ったのですが、一口に「朱色」と言っても、深紅に近い色からオレンジがかったものまで、そのニュアンスは千差万別でした。●というわけで「色の話」をほんの少し。本来「朱色」の黄味がかった鮮やかな赤は、赤色顔料の最高の色とされ、権威の象徴や、呪術的な力を持っていたという。純粋な朱は、水銀と硫黄の化合物から成るそうだ。同じ赤色でも、植物の紅花を原料に、昔から女性が口紅として用いた「紅色」は、みるからに身体に優しい赤色だと思う。江戸時代、京の都で大流行りした猪口や貝殻に詰めた口紅。薬指をチョイとなめて唇にさしたので薬指のことを「紅さし指」と言い、この紅をさす仕草は女らしくて、とても色っぽいものだ。今は、電車の中の化粧直も、日常目にする光景になってしまい、残念ながら、この所作に女性の色気は望むべくも無い‥。ついでに「朱華色」‥読みを調べてみたら(はねずいろ)と読むそうだ。「紅」を薄くした淡い色、一連のピンク色を指すらしいが、色の名前は、日本の色名の方が、どうやら「詩」の心が、あるように思われ、好ましい。この朱華の薄い紅色は、色あせしやすいので、[思はじと 言ひてしものを朱華色の 変ひやすき わが心かも] (万葉集)このように「朱華色」という言葉は、移ろいやすいことの枕詞に使われるとのことだ。日本人の心情や、器や和服も含めた日本の四季を表現するのには、色の名前も、日本古来の呼び名じゃないと、なかなかニュアンスを言い尽くせないものらしい。そして、会津といったら「鶴ケ城」は外せない。写真にすると絵ハガキみたいになってしまうけれど‥でも一応、撮ったので、ココも紹介しておきます☆城下町には、さすが代々継承された文化が根付いています。最後に、いつも心温まるコメントをお寄せ下さる「nyankichi」さんからのメッセージ。『土日に運行されている、磐越西線のSLばんえつ物語も 秋に乗るとなかなか良いです! 春・夏・秋‥いずれの季節に乗っても素晴らしい列車です♪』そうなんです!磐越西線には、大正ロマンを彷彿とさせる木目調でレトロな「SLばんえつ物語」号」が復活して、土・日及び祭日に運行しているのです。1946年生まれ「貴婦人」という愛称で親しまれてきた SL【C57-180】新潟から会津若松までの126キロの旅、途中10の駅に停車して、片道約3時間半かけて走ります。「そうだ、会津行こう!」 紅葉の季節に乗りたいなぁ♪ 森と水とロマンの鉄道「SLばんえつ物語」号 心を豊かにしてくれる沢山の体験や発見に、 あなたも、きっと出会えると思います!※【追伸】 会津のご紹介をさせて頂いておりますが、 「懐かしい‥」「行ってみたい!」「漆器に興味ある」など、 嬉しいコメントを頂戴しております。 「きのこのママ」さんから耳寄り情報を聞きましたので、 これも併せてご紹介しておきます。●東京駅から会津若松まで片道2,500円の直通バス「白虎ライナー」(さくら観光) ●西会津の隠れ家みたいな旅館「山形屋」さん 一泊二食付き7,000円でした。(電話0241-47-2521) ピカピカ光る白いご飯と、お母ちゃんの漬物と煮物 「正調・里山暮らし」を堪能する旅は如何でしょうか?