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カテゴリ:ささやき
私は、ずっと母と二人暮らしを続けて来ました。
寝たきり状態ではあっても、毎日口だけは達者で”ああ言えば、こう言う”でした。 糖尿病患者でしたが、食事量が少ないし我儘で指定の食事は口にしないのでお医者様が折れて普通食を許して頂きました。 母は、朝食にはトーストとウィンナさえあればご機嫌でした。 夕食は、揚げ物や煮物。 お誕生日や母の日等の記念日には、大好きなピッツァをデリバリーするのが恒例でした。 母がいなくなり、何日も何も食べられず涙が噴水の様に流れていました。 しゃくりあげる苦しさで、呼吸困難に陥り転げました。 これから、こんな日々が続くなんて到底耐えられない!! 私は、”母とのこれまで通りの暮らし”を”演じ”始めました。 実は、初めて母が入院した時も寂しさから同じ様に振舞った事があります。 母の寝台に大きなバッグを並べて毛布を被せ、話し掛けていました。 それを発展させて、数個のクッションを膨らませ等身大に整えました。 椅子にも座らせる事が出来て、気に入っています。 夜には、目の前で寝ている姿に見えます。 食事も、母が生きていた頃と同じに作ります。 後で残るのが少し落ち込みますが、”お供え”的に扱う事にしました。 そして。 会話したい時は、”切り札”のタロットカードを使うのです!! これが、結構面白いのです。 例えば。 「今晩のおかずは、気に入った?」と訊くとちゃんと”聖杯の3”が出ます。ああ、美味しかったんだなと分かります。 (今日は、厚切りベーコンとキャベツを焼きスパゲティを添えました。全部母の好物です) 母の好きな俳優が出演するTVドラマを見ながら、「面白い?」と訊くと”世界”が出ます。ああ、楽しいんだなと分かります。 こんな風に、押し寄せる悲嘆を何とかやり過ごそうと思います。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019年09月29日 23時55分24秒
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