Hunter's night人類がこの世界に生を受けて以来、彼らは常に夜を忌み嫌っていた。様々な怪異が息を潜める暗黒に、恐怖してきた。 漆黒の世界に存在する光は、宇宙の彼方よりもたらされる。 星々の淡い煌きが微かに射すのみ。 一際明るく照り輝く月光も、圧倒的な闇の前では何と矮小な存在であろうか。 そして、夜は何時の時代においても、常に邪悪な存在によって満たされていた。 太陽の光から身を隠していた怪異が姿を現し、穢れた咆哮をあげては、瘴気を撒き散らす。 それは、宴の開幕を告げる鐘の音。 血生臭く、凄惨な儀式を開式を知らせる雄叫びにして、生ある者への宣戦布告である。 宴が始まる。 宴の席における人間は、ただ陵辱されるがままの非力な獲物。 もしくは、満たされることの無い欲望を満たすための哀れな生贄。 悲鳴と言う名の狂想曲を奏でる、生きた肉楽器。 そして何より、闘う為の牙すら持ち合わせていない無力な弱者でしかない。 邪悪な存在は、夜の世界を謳歌する。 我が物顔でのさばり、闇を支配する。 己の本能に従うまま、無知にして無垢な獲物へと、底知れぬ略奪の牙を突き立てる。 おぞましい宴は続く。 幾日も、幾月も、幾年も。 ジャンル別一覧
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