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poco a poco~くららんびより

残影


2人きりで初めて、夜を明かした
肩を寄せ合って、夢を語った

何でもないことが、すごく大事だった
私達まだ、すごく輝いてた


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海の底を歩いているよう
平日の朝の水族館で
水槽のガラスにおでこをつけて
キラキラ光る熱帯魚を見てた
四角く切り取られた青い空間
あなたも私も波にゆられる
海の底で私達二人
この世で二人きり


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出逢ったばかりの頃は、
毎日、すごくすごく楽しかったのに
今は、何かすごく重い。
まるで翼が濡れているよう。
羽ばたきたいのに、ため息しか出ない。

あなたのする事、何もかもが
私の心に引っかき傷をつくる。
何気なくつないだ指が、ほどけそうで
慌ててきゅっと握り返す。

ずっとついて行きたい。そばにいたい。
でも何だか言葉にしづらい。
あなたのまなざしに、泣きそうになる。
でも泣かない。
もうこれ以上、
2人の距離が開かないように


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土手の上を、一緒に歩いた夏の夕暮れ
きしむ自転車を押しながら
どこまでも歩いていった
夕陽が川面にキラキラ輝くのを
立ち止って眺めたり

あの頃の、彼の
並んだ時、私の目の高さに肩があったこととか
私に合わせた、歩き方とか
声とか、まなざしとか
あの笑い方とか



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恋の終わりを予感する時

その恋はすでに終わってると思う



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走る風と一緒に、ゆけばよかった
ふりむいてしまった僕らは
足がもつれて、よろめいた

風はいってしまった
僕らは、そこにひざをついて
ただ、顔を見合わせた

もういちど走りたかった
風になって、どこまでもゆきたかった
無心に、息もつかずに

立ち止まってしまった僕らは
ただ、顔を見あわせた

そして、どちらが先に口を開くか
ただ、待ち続けた



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もう、ついていけないと
思うたびに

私を支えた
あの瞳に、気付かされる

わがままなのは
私かもしれない

失うことが
こわすぎる


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この気持ちは伝えられないまま
こうして恋は終わるのかな

何だかもう、何を見てるのか、
私には全然分からないもの

1人になるの、すごく怖い
淋しくても、信じられるものがある方がいい

あなたとの距離、これ以上開かないように
私はあなたの横顔を見守ってる

あなたが、もう一度私を振り返ったとき
ちゃんと一番いい笑顔で、見つめ返せるように


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これ以上そばにいても
私達は、同じ未来を見れない
来る日も来る日も、私達は
泣きながら思いをぶつけあった
いつだって温かかった
あの部屋にいれば
笑顔や冗談や夢や思い出で
いつも笑い転げてた
喧嘩も悩みも吹飛ばして
もう何もない 
私はきしむ扉を大きく開けて
吐く息が白くなる夜に歩き出した




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