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2013.03.06
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カテゴリ:日誌

折々に思う

 現状の刑事司法界は、事実・状況の認識・判断力、および記憶・表現力について、知的障害・発達障害を抱えた人達を考慮するシステムはできていない。刑事事件で懲役以上の刑執行判決があった知的障害者や発達障害者の事例、その判例を検証すると、実刑判決があった者の殆どは、障害特性が判決に生かされていない。これについては、障害者・保育・教育の総合誌「福祉労働(2011.9.22発行)」の第132号が詳しい。

 そこで、この文献から「特集;裁判と障害者」の記事を参考にするが、実際の裁判傍聴や収監後の面会での見聞を基にして考察したいことがある。まず彼らの障害特性の一側面の認識力・判断力・主観のない記憶力・表現力の不十分さを司法界に知ってほしい。

 ところが、これらの特性を考慮せずに刑事手続きを進め、刑罰を科して事件を終了させる傾向がある。その一つが、アスペルガー症候群をもつ被告人による実姉刺殺事件についての大阪地裁判決である。20117月に、自宅を訪ねてきた実姉を刺殺したとして、殺人罪に問われていた被告人に、2012730日、大阪地裁の裁判員裁判で、検察側の求刑懲役16年に対し懲役20年の判決が言い渡された。が、高裁で14年の判決になったが、被告人は大阪地検での精神鑑定により、アスペルガー症候群であると診断されていたことは重くに裁量はされなかった。

 刑罰を科すことで一・ニ審の裁判を終了したが、被疑者の人格・適正手続保障からこの判決は適切とは言えないし、犯行に及んだ時の被疑者の心的状態である障害特性によって、刺殺行動に至ったのだが、心神耗弱に陥っていた状態を判決は正確に考慮していない。アスペルガー症候群の診断が生かされず、発達障害者の特異性を無視した偏見の判例となる。

 最近の判決事例の多くは、発達障害とすでに診断され、その特異性による事件であるにもかかわらず、検事側の精神診断を発達障害については殆ど知識も臨床もない医師による診断に委ね、さらに責任能力が在るとの診断に裁判官と裁判員が鵜呑みにしてこれを拠り所に採決していることが見られる。診断する医師の発達障害の専門性を極めることだろう。

 こうしたことを踏まえて、私が毎月面会しているA君の状態像について項目別に、供述能力・訴訟能力・責任能力・故意の有無・受刑能力等について検討する。

 先ず「供述能力」。自白の信用性、供述調書の妥当性と任意性の問題に触れることにする。

 日本の刑事司法においては、自白調書の証拠としての評価が高い。そのために功を焦った検察官の捏造事件も起きる程である。警察署でのA君の供述調書である。A君はLDである。またIQも75以下にある。要するに普通の理解力・認識力・推測力の欠如が障害特性である。また、プライドも高く、自分を格好良くみせようとする傾向があり、これが彼を苦しめてきたのも事実である。彼は、自分を褒めて貰いたい欲求が高く、供述書に進んで協力する。取調官に「きちんと言えてる」とか「その時のあなたの気持ちがわかる」などと協力的な態度を誉められると、とても嬉しくなり、更に取調官が満足する期待に応えようとする。その時の彼の不安心理を安定させる唯一の方法が誉められることで在る。拘置されて検察送りになる時の取調べ中は、親も面会は許可されずに、不安の中で取り調べが在る。これからは機会あるたびに、供述調書作成時の心理状態とA君の供述能力を掘り下げて見たい。





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最終更新日  2013.03.06 15:09:17
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