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June 1, 2007
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テーマ:心の病(7197)
カテゴリ:健康・ダイエット

みなさん、こんにちは。

以前テレビの報道番組で「化学過敏症」を取り上げた番組がありました。

その中では、空気の綺麗な田舎に引っ越した後も急に倒れる(化学過敏症?)症状が、テレビで放映されていました。

ウイルスや細菌が細胞内に感染するなどして細胞内の機能が低下するとアレルギーが起こります。

あまりにも症状が劇的なので、何か違うのではないかという印象を持っていました。

 実際、化学物質過敏症は、原因が特定できずに治療が困難を極める例が多く、最近では、精神疾患との関連を指摘する声も多くなっています。

 

以下はシックハウス症候群や化学物質過敏症を多く見てきた皮膚科医の笹川医師のコメントを抜粋いたします(日経メディカル)。

 

(抜粋開始)


 



 

 

 

 私は、皮膚科医として、1999年ごろからシックハウス症候群(sick-house syndorome)の診察や研究を開始した。その関係で、シックハウス症候群と混同され、化学物質過敏症(chemical sensitivity)と診断されている患者も多く診てきたが、これらの患者を診るうちに、これら2つの疾患は全く違うものなのだと確信するようになった。

 そもそもシックハウス症候群とは、主に建築材料や家具、電化製品などから発生した、ホルムアルデヒドやトルエンなどの揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)が室内の空気を汚染して起こる健康被害のことだ。

2000年ごろから、各種メディアで頻繁に取り上げられ、社会問題になった。主な症状は、眼、鼻、喉などの粘膜刺激症状、皮膚刺激症状、頭痛、倦怠感などの不定愁訴で、原因となる家から離れると症状が消失する。このシックハウス症候群の語源となったシックビルディング症候群(sick-building syndrome)は、世界保健機関(WHO)でも認知されている疾患概念である。

 一方で、化学物質過敏症は、建築材料や家具以外に、大気、水、食物、土壌、医薬品などに含まれる、あらゆる化学物質が原因となり、筋肉痛や吐き気、倦怠感など、様々な症状を引き起こす疾患とされている。実際に化学物質過敏症の患者は、VOCが限りなくゼロに近く、周りの人には全く無害に思える室内で症状が出現すると訴える。詳細な発症メカニズムは不明だが、いったん、ある物質に暴露されてこの疾患を発症すると、その後、次々に他の物質でも症状を起こすようになることが多く、患者はますます社会生活が困難になっていく。

 

意識しているときだけ症状が出現

 こうした化学物質過敏症と診断された患者に話を聞くと、その症状や主張は実に多彩なのだが、時に首をかしげたくなる"現象"に突き当たることも多い。

 例えば、診察室の椅子の素材に反応してしまうからと、座布団を持参してきた患者、マンションの上階の住人の食べている弁当やダンボールの匂いに反応して症状が出ると訴える患者、風呂に入った前の人の体に付着した化学物質に反応する患者--といった具合だ。原因物質も様々で、そんなものにまで反応するのか、と思うこともしばしばだ。

 さらによく患者を観察すると、明らかに原因物質にさらされているのに、反応しない場合があることに気付いた。ワックスで症状が出ると訴えるのに、ワックスがけの次の日に来院したのに全く気付かない患者や、化学物質濃度が高い部屋で症状が出ないのに、濃度が低い部屋で症状が出る患者などである。症状は、自分がその原因物質を意識しているときに限って出るようで、再現性と整合性に欠けているのだ。さらに、同一人物、同じ化学物質であっても、その時々によって出る症状が異なる(スイッチ現象)という不可思議な現象があることを考えると、科学者として、化学物質過敏症の存在を到底信じられないのである。

 もちろん化学物質過敏症と診断された患者の全例に、このような"非科学的な現象"が見られるわけではないだろう。だが、そうした例が非常に多いことから、私は、化学物質過敏症のほとんどが「心の病」なのではないか、と思い始めたのである。

 実際、2004年度に発表された厚生労働省、環境省の研究事業報告では、微量ホルムアルデヒド負荷二重盲験法で「化学物質暴露と症状には因果関係は認められなかった」「化学物質過敏症と診断された症例の中には、中毒やアレルギーの既存の疾患や心因性患者も含まれる」として、安易な診断の現状に警鐘を発しているのが現状である。

 

 国際的には、「化学物質過敏症は精神疾患か否か」という議論が盛んに行われている。中でも、264人の化学物質過敏症の患者を、米国精神医学会の「精神疾患の分類と診断 第4版」(DSM-IV)に基づいて分析したBornscheinらの研究は注目に値する。分析では、全体の35%が「身体表現性障害」と診断され、そのほか「気分障害」32%、「不安障害」25%、「物質依存・乱用」24%、「人格障害」13%などとなっていた(Bornschein S et al.Psychol Med. 2002;32:1387)。

 精神疾患と皮膚症状の関係に詳しい大阪警察病院(大阪市天王寺区)皮膚科部長の羽白誠氏も、「化学物質過敏症を、"心療"内科的、精神科的な観点から見ると、身体表現性障害の一亜型であると考えることができる」という主張をされている。本質がこうした精神疾患にあるとすれば、「いったん、ある物質に対して症状が出現すると、それが増幅して過敏になる物質が次々に増える」「同居家族が次々に発症する」という条件反射のような現象も理解しやすい。

 また、関西労災病院(大阪府尼崎市)皮膚科部長の幸野健氏は、「因果関係の公準である『Bradford-Hill卿の基準』に照らし合わせると、シックハウス症候群は基準を満たし、化学物質過敏症は基準を満たし得ない」と述べている(日経メディカル)。

 

(抜粋終了)

 

 

プラセボ効果というまさに「気分」の問題という効果が実際に認められていますが、

そもそも「化学物質過敏症」という病名をつけること自体に無理があるのではないでしょうか?

「病名をつければ病人が増える」ことは医学界の常識であり、製薬会社のマーケティングの一環でもあります。

「化学物質過敏症」の方には精神科的・心療内科的アプローチを含めた統合医療的アプローチが必要でしょうね。






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Last updated  June 1, 2007 09:44:47 AM
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