福岡・警固　　　　　リチェッタのテーブルで

　昨日の続き。

　左のページには
　お客様からのご予約と
　それにともなう個人情報。
　右のページには
　シェフから聞き取った
　その日に変更される
　黒板メニュー。

　びっしり書きこまれた予約帳。

　どのページを開いても
　何年前の予約帳を開いても
　その日の客席の様子は
　手に取るように思い出されます。

　エアコンの効きが悪かった真夏の夜。
　ゲリラ豪雨でビルの前が水没した日。
　春近いのにどんどん雪が降った日。
　お客様が選ばれたワインも
　気に入っていただけたドルチェも
　どなたとご一緒されたか
　どんな会話をされていたか。
　（いえ、私は決してスパイではありません）
　満席の夜も
　お二人様だけの日も。

　楽しい日々も
　感動の日々も
　全てはお客様が
　作り出してくださったもの。
　毎日を無我夢中で
　突っ走っていた私達だけど
　この予約帳が全て残してくれてた。
　ああ、やっぱり。
　ご来店くださったお客様みんなに
　ありがとう！って
　心からありがとうございます、って
　そう伝えたい。