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RiSu*が飛ぶ♪

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事故った話




あれは忘れも知れない何度めかの結婚記念日だった…
その日は主人がロンドンの出張から帰ってくる日でもあった。

私は幼稚園へ息子を迎えに行く前に
買い物を済ませようと思って、
車で幼稚園に行く前にスーパーに寄った。
で、さて幼稚園に行こうと思って
車に乗りスーパーの駐車場を後にしようとした。
駐車場から道路に出ようと思って少し前に出たら、
タイミング悪くむこうから車が来たので、
私は親切に少しバックした。

この親切心がいけなかった。
なんか、後で鈍い音がした。
ふと見るとわぉぉぉぉ~~~~~!!!
後の車のおじさんが、ものすごい剣幕で
まくしたてている。ドイツ語で!!!(当たり前だ)
どうやら私は後方確認をしないでバックしてしまったために、
後にくっついていた車にぶつけていまったのだった。

おじさんはものすご~~~~くコワイ顔で、怒鳴っている。
私はドイツ語が理解できなかったことに感謝した。
すべての言葉がはっきりわかってしまったら、
私は相当へこんだだろう。感情的にもなっただろう。
けれどドイツ語がわからなかったので、
とりあえず“おじさんはすごく怒っている”という
状況は理解したが、そのわりには冷静だった。

おじさんがものすご~~~く怒っている理由が、
私にもわかった。隣りに乗っていた奥さんが、
ひとこと「ganz neu...」
(ガンツ ノイ:すんごく新しい)と言った。
新車だったのだ。
車が届いてまだ1週間くらいしか経っていなかったのだ。
ムリもない…
逆鱗に触れるのは当たり前だ…
車が好きな人にはきっとおわかりになるだろう。
この気持ちが…
届いて1週間で、わけわからないアジア人に車を
ぶつけられて、もうオーマイガーーーーーッ!!!だ。

ドイツに来る前に、ドイツに住んでいたことのある友人に
「ドイツに行ったら、絶対自分から謝っちゃいけない」と何度も言われた。
いくら自分が悪かったと思っても絶対に誤るなと…
これは訴訟の問題などがからんできた時のためを思っての言葉だった。
 
おじさんに最初に言った言葉は「ゴメンナサイ」だった。
で、私は片言のドイツ語で
「ドウシタライイデスカ?」と聞いた。
するとおじさんは…

(後で考えるとこのおじさんも
怒りを露わにしたわりにはとても紳士的だった。)
 
…おじさんは「これから警察を呼ぶから、ここに
いなさい」と言って、ケータイでおまわりさんを呼んだ。
しばらくするといかついおまわりさんが来て、
ドイツ語と英語で(どっちもよくわからない)、
いろいろ聞かれてた。
 
おまわりさんに「これからどこに行くつもりだったのか」と尋ねられて、
私は「幼稚園に息子を迎えに行くところだった。」と告げると、
おまわりさんは「何時に?」と聞いた。
息子の幼稚園のお迎え時間は5時半だった。
もうとっくに6時をまわっていた。おまわりさんはびっくりして、
「後はあなたの家で聞くので、早く迎えに行きなさい」と言われ、
私は心臓をバクバクさせながら、息子を迎えに行ったのだった。

+++++++++++++++++++++

家に帰るとちょうど主人が、出張から帰ってきたところだった。
私は事の顛末を話し、さらにこれから我が家に
ドイツ警察が来ることを話すと、
出張から帰ったばかりで、疲れた表情の主人の顔は
さらに疲労度を増した。
しかもその日は結婚記念日だ…
さすがに申し訳なく思った。

そんなことを話しているうちに、
2人のいかついおまわりさんがやってきた。
ただでさえいつもドイツ人は“でかい”と思っているが、
うちの中にはいられると、なおでかく感じる。
十分に威圧感があった。
何が起こるのかびくびくしていたが、
一通り事務的な事を聞かれ、
何か書類にサインし、
その場は何事もなく終わった。
乗っていた車は会社の車で、
保険にも入っているので何も問題はなかったようだ。

次の日主人が会社に行き丁重にお詫びをいれてくれた。
会社の方は「よくあることだから別に大丈夫だよ」と
言ってくれたらしい。感謝!

主人が家に帰ってくると「事故を起こした所で、
おまわりさんにお金をとられたか?」と聞かれた。
よくわからないのだが、なんでも普通はそういう
事故処理の時は40マルクだか50マルク
(日本で言えば4,5千円の感覚)
を払わされるそうなのだ。
そんなものは払っていないので、
さらに翌日会社の方に警察へ問い合わせていただくと、
なんとっ!!!!!
「感じのイイ日本人だったので」
という理由で免除になったそうだ。
そんなことがあるのか!ドイツ警察!!!
そんなことがあっていいのかドイツ警察!!!

前述のドイツに住んだ事のある友人に、
この話をしたところ
「とても信じられない!!」と言った。
私だって信じられなかったさぁ!!!
しかも彼女には
「謝るな!って言ったのに、どうして謝ったの」と言われ、
「だって、どう見たって後方確認しなかった私が悪いもの」と答えると、
彼女曰く、
「そう言う時は“なんでアタシが下がったら、
アンタも下がらないのっ!!”って言うのよ」
と教えてくれた(爆)

ところでおじさんの車の傷。
あんなにおっかない形相で、怒鳴り散らして、
私はどんなにつぶしてしまったのかと思ったら、
ボディの側面にくぎで引っ掻いたような線が
3本くらい入っただけだった…
(゚o゚)!!!!!
あんなに怒んなくったっていいじゃあないかぁぁぁ!!!


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