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あんどうりす の りす便り

りすのひとりごと

@りすのひとりごと@

 阪神大震災を経験したあの日、いままでいろいろ勉強してきたと思っていたが、肝心の自分を守るすべを学んでいなかった事に愕然とした。生きるためにはアウトドアの技術が必要だと、ひしひし感じた。



 幸い、たくさんの友人たちとの出会いのおかげで、お金がなくとも、様々なアウトドアアクティビティを実践することができた。



 テントさえあれば、自然さえそこにあれば、自分という身ひとつで、いろいろな楽しみ方ができた。



 岩にもたくさんの表情があり、触れることで、岩肌と会話が楽しめた。

 月のあかりは、夜道を歩くのに、とても明るいものであることを知った。

 星明かりでも、十分行動できることを知った。

 宝石箱をひっくり返したようなという表現が、そのままだと実感できるほど、星空は美しかった。たぶん、私は宝石に興味をもてないだろう。あの星空の美しさをみてしまったから。

 歩く速度で水面を漕ぐとき、水鳥が水面を蹴りはばたく音が、新鮮に聞こえた。

 河原にテントをはり、手長エビをとり、焚き火をした。

 火を落とせば、ほたるの群れが対岸にみえた。



 防災の観点から自然に触れるようになった私だが、自然というのは、なんと懐が深いのだろうかということに気づいた。

 自分にとって人間にとってだけ都合のよいようには存在してない。生も死も超越した存在なのだ。

 都合のよいようにはならないが、自然を冒涜すると、しっぺがえしが必ずくることもよくわかった。



 ありきたりだが、人間社会の営みが、猿の一種の行動であることを痛感させられる。

 そして、たくさんの恩恵を与えてくれる自然を、いとも簡単に壊してしまっている憤りも覚える。有明海をシーカヤックで渡り、諫早湾の潮受け堤防をみたとき、涙がこぼれた。

 自然との共生というのは、はやりことばだが、自然たちにうけいれてもらえるような自分になりたいと思った。きちんと自然とつきあえる技術をもった自分でありたいと思った。



 自分で技術を習得するだけでなく、将来結婚するとすれば、自分の命は自分で守れるという動物として最低限の条件をクリアできている人、生きる望みがある状況で、必ず生き残れる人がいいと思うようになった。



 アウトドア仲間で、私よりずっと経験値の高い、尊敬すべき男の人に会った。

 雲の上のような人に思っていたが、偶然という必然がたくさん導いてくれ、結婚することになった。

 彼は、中越地震で実家が被災した小千谷市出身の友人が帰省するとき、「ひとつだけ持って行っていいものがあるとすれば、コイツにする」といわれたほどだったので、わたしの選択は間違っていなかったようだ(^^;)



 さらに、こどもが産まれ、まだひとりで自分の身を守れない様子をみていると、災害時いかにして子供を守るか。家族とささえあえるか、そんな思いはさらに強くなる。



 お母さんたちは、優しくたくましい。

 妊娠中から体力を落とさず、生まれたら子供と走り回り、さらに筋力をつけて、そして、子供から学ばせてもらって精神力をつけてゆくことができる。



 こどもと一緒にでかける自然体験のなかから、いざというときの危機管理能力を学ぶことができる。



 自然の異変が起きるときのざわざわした感じや、鳥肌のたつ音が聞こえるようになってほしい。
 それらは、人工音のない、自然のなかにはいることで初めて五感が活性化されるように思える。



 防災講座では、本当に使える防災グッズを紹介している。

 ものを減らす生活をすすめたい私は、あれこれグッズを買う事を言うのは抵抗がある。

 しかし残念ながら、ママではない人が選んだものの多くは、役にたたないものが少なくない。新聞雑誌に多く紹介されているもののなかには、子供には使えないものもある。実際に使った事のない人が、セットの防災道具として紹介しているため、危険にきづいてないのだ。

 しかも百戦錬磨のアウトドア仲間から、「防災にこれはありえない」と思われているものや、あまりにも間違っていたりするものが多いのに驚かされる。

 これでは「せっかく買ったのに、何も役にたたない」ということになりかねない。

 いや、それならばまだいいが、肝心の子供を守れなくなってしまうのが一番おそろしい。



 本当に役立つものは、毎日使う事ができる。

アウトドアというのは、決して非日常のものではなく、器具をいっぱいそろえたバーベキューだけを得意としているのではなく、日常の延長にある自然と上手につきあう技術だと思う。

 それゆえ、むきだしの自然とつきあわねばならない災害時、最も役にたつし、毎日の寒い、暑い、雨を楽しく過ごしたいという日常にも一番役にたつ。



 育児用品はとくにたくさん買う事が予想される。

 それならば、物を減らせて、日常使いができて、しかも防災に役立つものを選んで欲しいと願い、講座を行っている。



 幸い多くの方から好意的な感想をいただいた。

 講座をきっかけに、もっとママと子供たちが、ものを減らす生活に、無理なく、楽しみながら取り組み、大上段にかまえないで、するする自然のなかに入り、五感を高め、すっかりアウトドア好きになっている。。

 そして、そのうちいつのまにか防災スキルを高まった。。

 そんなふうになって欲しいと願っている




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