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2015.06.07
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カテゴリ:音楽
今年がデュフリの生誕300年であることは前にも書きましたが、亭主はこのところずっと彼のクラヴサン曲集にハマっています。週末になるとウジュル版の譜面を取り出し、センペのCDに収録されているLa de Belombre, Les Graces, La Félix, La Forqueray, Rondeau, Chaconneといった曲を音にするのが今や最大の楽しみのひとつ。

デュフリの音楽にハマってみて感じるのは、それが持つ特徴がどことなくスカルラッティのそれに似ているのではないか、ということです。スカルラッティの音楽は、頭というよりは十本の指の下から湧いてくるような、鍵盤楽器というメディアと一体不可分となった音楽、あるいは指(演奏)の快楽を追求したような音楽という側面があります。鍵盤上の自然な指の動きが推進力になるような音楽、と言い換えることができるかもしれません。(これはいわゆるVirtuosityにも通じるところでしょうか。)

同じようなことを、たとえばデュフリのChaconneを弾いていると強く感じます。この曲、ところによってはピアノの練習曲のようにも聞こえるフレーズの反復があるのですが、このような部分も含め、弾いていると「楽器を繰っている」という快感でアドレナリンが出てきます。

ところで、先週朝のFM「古楽の楽しみ」では、関根敏子さんの構成による「モーツァルトが訪れた頃のフランスの音楽」で、デュフリの作品も毎朝のように取り上げられていましたが、そこであのクリストフ・ルセがクラヴサン曲集を録音していることを知りました。放送されたのはFelix, Chaconne, Medée, それにLa Victoireの4曲でしたが、特にMedéeは印象的。

このCD、早速入手しようと調べたところ、2013年のリリースと比較的新しいにもかかわらず、国内のアマゾンやHMVでは既に在庫切れで入手困難なようです。仕方なく、円安と高い送料という二重の不利益を押して米国のアマゾンに発注することに。


ちなみにモーツァルトはパリを3回訪れていて、その最初は1763年暮から翌年初頭、彼がまだ7歳だった時で、このグランドツァーでは帰路にもパリに立ち寄り(2回目)、その神童ぶりがもてはやされたようですが、二十歳代前半の3回目の訪問では「ただの人」同然の扱いだったようで、あまり良い思いはしなかったらしく、彼の音楽が当時のフランスの音楽から大きな影響を受けたとは想像しにくいところです。

しかしながら、センペは彼のCD「A French Collection」のライナーノートの最後で「この18世紀ハープシコードのレパートリーは結局どうなったのか、それは革命と共に死んだのか?」との問いに対し、次のように答えています。
「これは明らかにモーツァルトが1763年、最初にパリを5ヶ月間訪れた際に耳にしたハープシコード音楽だ。この時代のパリの人達のハープシコード音楽は、今から見ると軽いサロン音楽で、深遠なものなど何もないという類かもしれないが、実際のところモーツァルトの鍵盤音楽にしても、それ以上のものでも以下でもない。モーツァルトのピアノ曲を「ドン・ジョバンニ」と比べることは、ラモーの鍵盤音楽を「イッポリトとアリシ」と比べるのと同じだ。しかし音楽は、それが持ち合わせないものに注意を向けるよりは、それをあるがままで楽しむべきだろう。そして、バルバトルは既にフォルテピアノを演奏していたが、これは革命を生き延びた鍵盤奏者の新たな習慣となっていたものだ。フランスにおける次の偉大な鍵盤音楽はショパンの音楽とその演奏によって開花するが、彼こそは17-18世紀の偉大なフランス・サロン音楽の伝統における最後の鍵盤奏者兼作曲家とみなされるべきだろう。」

要するに楽器は代わったが、サロン音楽の伝統はフランス革命においても途絶えることはなかった、ということのようです。





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最終更新日  2015.06.07 17:12:37
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