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2017年09月03日
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カテゴリ:音楽
このところ台風の影響もあって関東は秋の陽気。週末にハープシコードの蓋を開けてみたところ、なんとなく響板のホコリが気になり始め、久しぶりにお掃除をしました。(張ってある弦と響板の間隔より毛足が長いハケでホコリを掻いて浮かせ、後で慎重に掃除機で吸引します。)



ところで、先週朝のFMラジオでオンエアされた、磯山先生による「形式ジャンル別の器楽曲特集」、昨年6月に放送されたものの再放送とのことでしたが、亭主の記憶からはすっぽり抜けていて、どうやら聴き漏らしていた模様。というわけで、とても興味深く拝聴しました。

初日の「パッサカリアとシャコンヌはどうやっても区別がつかない」という話には、ああやっぱりそうかと膝を打って納得。二日目は弾道ミサイル騒ぎで放送が吹き飛んでしまったのは残念でしたが、特に面白かったのが最終日のファンタジア編で、まず「ファンタジア(幻想曲)」というジャンル名の意味合いが近現代と古楽では全く違う(「ソナタ」と同じような事情)ことを断った上で、指の動きから触発される即興性の強いトッカータと違い、「ファンタジアは指の動きより、頭の働きに関わる」、「歌詞のない器楽曲を、想像力を巡らせて構成していく」ジャンルであることが紹介されました。確かに、17世紀以前にファンタジアと名がつく鍵盤作品は、どちらかというと対位法的で瞑想的な曲が多いのもこれで納得できます。

一方で、18世紀以降になるとガラリと様相が変わるようで、その代表例として取り上げられたのが父バッハによる「半音階的幻想曲とフーガBWV903」と表題の作品です。これらのうち、前者はおそらく誰もが知っている名曲(亭主も若い頃ピアノで練習した覚えあり)ですが、BWV906については迂闊にも全く知りませんでした。おまけに、「スカッルラッティの影響も指摘される作品」とのコメントもあり、興味津々で拝聴。

鈴木パパ(雅明氏)の演奏は実に素晴らしいもので、耳で聞いているだけでも下降する三連音符アルペッジョが織りなす曲想、手の交差が頻出することなどが確かにスカルラッティに聞こえます。早速楽譜を眺めてみると、これまた実に典型的な二部形式であることがわかり、いやが上にもスカルラッティを思わせるものがあります。

とはいえ、あのカークパトリックは、バッハがスカルラッティの作品に影響を受けた可能性はまずない、と断言していることもあり、ネット上で少し調べ物をしてみました。

すると、BWV906の作曲年代については諸説あるようですが、自筆譜の研究からは、最も遅い場合でも1738年とされているようです。1738年といえば、スカルラッティが最初の印刷譜としてあの「練習曲集(Essercizi)」をロンドンで出版した年に当たっています。一方で、BWV906については1704年ごろにはすでに(草稿にしろ)出来ていたという説を唱える向きもあることから、バッハがスカルラッティに直接影響を受けてこのファンタジアをものしたとは(スカルラッティのソナタの筆写譜でも目にしない限り)考えにくそうです。

なお、バッハがこの作品を最後に書き写した(?)1738年とEsserciziの出版年が同じであることから、面白い可能性の一つとして「バッハがスカルラッティのソナタをこの年に目にし、自分も同じような作品を既に書いていたことを誰かに示そうとしてこの作品を清書したのではないか」という説を唱えている人がいました。(これも「ファンタジー」かもしれませんが…)

ちなみに、この作品にはフーガがついていますが、残念ながら未完に終わっていて、研究者の間ではむしろその事情について諸説紛々で盛り上がっているようです。ネットサーフィンをしていたところ、フーガ部分も含めて鈴木優人さんの演奏を映像付きで楽しめるサイトを発見(以下にリンクを置きます)。鈴木パパに「勝るとも劣らない」名演です。(例によって亭主も真似をしてみようと楽器に向かっている最中。)

http://allofbach.com/en/bwv/bwv-906/





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最終更新日  2017年09月03日 17時40分35秒
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