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2018年02月12日
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カテゴリ:美術
年度末の多忙を縫って、上野で開催中の表記展覧会に足を運びました。「画家一族150年の系譜」と題したこの展覧会、ブリューゲルという名前は「バベルの塔」などの作品でよく知られていて人気もありますが、幸いにして会場はまだそれほど混み合っておらず、ゆっくり鑑賞することができました。



展覧会の公式ウェブページにもあるように、今回展示されている100点あまりの作品は、そのほとんどが個人蔵のもので、おそらく美術館などでは見ることができないもののようです。また、これまでなんとなく気になっていたものの、いつも曖昧にしていた数多くの「ブリューゲル」という同名の画家たちが相互にどういう関係なのか、世代・親子関係を図表化した上で、全ての作品の脇にその簡易版を掲示し、どのブリューゲルかが一眼で分かるようにてくれています。

この展覧会を見ると、ブリューゲル一族が絵画工房を経営し、初代ペーテルによる「鳥罠」といった人気が出た作品は、子の世代が数十枚もコピーを描いて売り捌いた様子が紹介されており、当時のオランダでは既に絵画を商品として扱う市場が成立していたことが分かります。

画題についても、人物を配した風景画(風俗画)が多く、聖書からのエピソードが扱われていても主なモチーフは風景と思われる作品がほとんどです。かなりの数にのぼる寓意図についてもしかり。最後の世代はマニエリスムから自然主義的バロックへの移行期に当たっていて、静物画(ヴァニタス画?)も数多く手がけています。

展覧会場を後にしながら、亭主は「これらの作品を一体誰が求めたのか」という疑問の周りを逡巡することに。この当時、オランダはカルヴァン派が浸透するとともにスペインからの独立戦争(80年戦争)を戦っており、一方で東インド会社を設立して交易で大きな富を稼ぎつつあった時代です。ブリューゲル一族が活躍したアントワープといった港町は現代ならニューヨークといった感じで栄えていたのでしょう。

とすると絵画の顧客は、貴族か裕福な商人階級であったと想像され、画題も彼らの趣味を反映したものと考えられます。

ところで、この時代はちょうどルッカース一族がハープシコード工房を営んで繁盛していた時期とも重なります。何かそれを思わせるものがないかと会場の絵を眺めていたところ、孫の代(ヤン)の手になる「聴覚の寓意」という絵の中にそれと思しき楽器が描き込まれていました。(譜面台に絵が描かれているのがやや不思議な感じですが…)



この絵、実は最近どこか(思い出せずにいますが)で目にした覚えがあります。当時の楽器が数多く描き込まれており、絃楽器はもっぱらヴィオールだったりするなど、古楽ファンにはなかなか興味が尽きない絵だと思われます。





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最終更新日  2018年02月12日 22時21分24秒
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