|
カテゴリ:音楽
空前の長丁場となった今年の「ゴールデンウィーク」ですが、通常の週末に相当する時間(〜4日間)はほぼ定型の家事雑用に明け暮れるので、エキストラな時間は6日間とそれほど長くもありません。不急とはいえ色々と溜まっている家事諸々(物の整理・掃除[断捨離]、庭いじり等※)をこなすうちに、退屈する暇もなくいつの間にか連休も残り1日余りとなってしまいました。
そのような連休中の数少ない外出イベントだったのが、5月3日〜5日と東京・有楽町で開催されたラ・フォル・ジュルネ、例の「熱狂音楽祭」です。昨年初めてこの音学祭に繰り出し、ピエール・アンタイのリサイタルで味をしめた亭主共、今回はスキップ・センペが来るとあってだいぶ前から気にしていたのですが、ちょうどチケットが売り出されたのが年度末の繁忙期だったために失念放置。4月も20日になってようやく思い出し、ギリギリセーフで何とか4日9:30~の演奏会のチケットをゲット。 今回の会場となったのは7階にあるホールD7。6階ロビーでチケットをもぎられる際に「プログラムはホール入口にあります」とのアナウンスがあり、演目が書いてあるのかと勇んでテーブル上のそれらしい紙片を手にとると、「スキップ・センペのカルト・ブランシュ(=白紙)」とあるのみ。あっさり肩透かしです。(いわば「シェフにお任せ」という趣向。) ホールに入ってみると、座席数180席とアンタイの時のそれよりかなり小さめですが、階段席になっているため見晴らしがよく、亭主共が座った最後列(9列目)からも楽器や奏者の様子がよく見えます(ちなみに楽器は例によってU楽器のジャーマン・ミートケモデル)。朝早くとあって、開演直前に来る客もかなりの数いましたが、最後にはほぼ満席状態に。 さて、定刻になって間もなく舞台に現れたセンペ、姿を見るのは一昨年暮れのアンタイとのデュオ・コンサート以来ですが、ソロリサイタルを聴くのは初めてです。何を弾くのかと目と耳をこらしていると、まずプレリュード・ノンムジュレらしき曲から始まり、舞曲がふたつ続きました。(いずれも亭主にはすぐに思い出せない曲…)4曲目にして亭主の贔屓であるルイ・クープランのプレリュード・ノンムジュレが始まり、続く「ブランクロシュ氏のトンボー」では早くも大興奮。その後しばらくルイの作品が続いた後、ダングルベールの名作「シャンボニエール氏のトンボー」を挟んでルイのシャコンヌに戻ったところでブレーク。どうやらこれで一旦お開きだったようで(ここまで〜35分)、続いての演奏(アンコール)はフランソワ・クープランを3曲、センペ氏が英語で題目を紹介の後に演奏してくれました。 というわけで、終わってみれば17世紀フランス・クラヴサン音楽の名曲メドレー、終演後にメッセージボードに張り出された演目のお題も「フランソワ・クープランが聴いた音楽」と、まさにセンペが最も得意とするレパートリーを堪能した至福の45分間でした。(もっとたくさんの演奏を聴きたかったところですが…) センペはこのリサイタルで17世紀の作法に習い、同名調のプレリュードと舞曲からなる「組曲」を自ら組んでプログラムにしています。会場に足を運べなかった方々のご参考までに、演奏曲目について帰宅後メッセージボードの記事と記憶を頼りに調べた結果を以下にメモっておきましょう。(なお、*はセンペによる昔の録音があり、彼の心境の変化?を知ることもできました。) I. Gの組曲 Prelude (ダングルベール、クラヴサン曲集[ウジェル版]、第1組曲第1曲、ト長調) Allemande dit L’affligée* (シャンボニエール、Maurice Senart版全集、124) Sarabande* (シャンボニエール、Maurice Senart版全集、120) II. Fの組曲 Prelude* (ルイ・クープラン、クラヴサン曲集[ウジェル版]第XIII組曲第1曲、ヘ長調) Tombeau de Mr. Blancrocher par Mr. Couperin* (同上第9曲、ヘ長調) III. Dの組曲 Prelude* (ルイ・クープラン、クラヴサン曲集[ウジェル版]第IX組曲第1曲、ニ短調) Courante* (同上第4曲、ニ短調) Sarabande* (同上第5曲、ニ短調) Canaries* (同上第7曲、ニ短調) Tombeau de Mr. de Chambonniéres*(ダングルベール、クラヴサン曲集[ウジェル版]、第4組曲第7曲、ニ長調) Chaconne (ルイ・クープラン、クラヴサン曲集[ウジェル版]第VIII組曲第6曲、ニ長調) <アンコール> Muséte de Choisi (F・クープラン、クラヴサン曲集第3巻第15オルドル第4曲) Muséte de Taverni (同上第5曲) Sarabande la Majesteuse (F・クープラン、クラヴサン曲集第1巻第1オルドル第4曲) アンコールの初めの2曲は、当時パリでも流行っていた(?)ミュゼットというバグパイプのような楽器の響きを模した作品らしく、左手のオスティナート・バスの上で速い走句が動き回る感じです。(ミュゼットといえば、ヴィヴァルディの贋作「忠実な羊飼い」の作者ニコラ・シェドヴィルを思い出します。) なお余談をひとつ。コンサートがはねたところでエレベーターに乗ったところ、同乗者にどうも見覚えのある外国人がいます。彼のことは開演時から気づいて気になっていたので、思わずマジマジと顔を見てしまいましたが、後ほど写真で確かめたところ、やはりオリヴィエ・フォルタンに間違いないと確信。フォルタンもこの音楽祭に古楽アンサンブルの一員として来ていることは知っていましたが、まさかセンペのリサイタルに座っているとは思いもよらず。彼は以前にセンペとの共演でラモーの2台クラヴサン曲を録音するなど、既に立派なキャリアを持つ中堅演奏家です(1997年のブリュージュ古楽コンクールのハープシコード部門で2位という勲章も持つ)。その彼が勉強のため(?)に観客に混じって演奏を拝聴するということは、センペも今や師匠レオンハルトのような存在になった証かもしれません。 さて、エレベータを1階で降りて時計をみるとまだ午前10時半。東京のど真ん中でこの時刻といえば、通常はこれから何かイベントに出向くタイミングです。というわけで、亭主共も上野方面に移動することにしました。(続きはまた後で) (※:そういえば、連休の時間を使って本亭の記事を5年ぶりに少しだけ更新しました。) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[音楽] カテゴリの最新記事
|