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未音亭日記

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未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) tekutekuさんへ これまた情報ありがとうご…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
tekuteku@ Re:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) ジョゼフ・ペインのライナーノーツに関し…
未音亭@ Re[1]:セバスティアン・デ・アルベロ「30のソナタ」(01/15) Todorokiさんへ コメントありがとうござい…

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2021.11.14
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カテゴリ:音楽
昨日(13日)、見るともなくツイッターのメッセージを眺めていたところ、日経電子版からのそれに「森の中の心地よい響き 古楽器が奏でる音楽の楽しみ」という見出しがあるのを見つけました(下記リンク)。日頃は政経ネタばかりの日経の見出しとも思えず、物珍しさから俄然興味を惹かれてリンク先にアクセスしたところ、最近の古楽ブーム、それも自分でピリオド楽器を手に入れて演奏するアマチュア演奏家が増えているという話にびっくり。

件の日経電子版(Nikkei The Style)11月12日付の記事では、まず古楽においてピリオド楽器の使用が普通になったことに言及した後、ある作家さんが2012年からリュートを手に入れて自分で演奏するようになった話が紹介されます。馴染みのない楽器の演奏となれば、誰かに手解きを受ける必要がありますが、最近ではリュートを習えるところが意外にたくさんあるとか。ネット上に落ちている情報を頼りに、独学することも可能なようです。

ところで、記事の中で強調されるていたのが古楽器の音量の小ささ。そもそも「古楽」とは18世紀以前の音楽のパトロンであった貴族社会で奏でられていた音楽を指し、「古楽器」と呼ばれる楽器群も、基本的には貴族のサロンなど少人数の聴衆を想定したもの。それらの中でも特に音量が小さいクラヴィコードやリュートといった独奏楽器は、奏者一人で、あるいは少人数の親しい聴衆を相手に演奏を楽しむ楽器でもあります。(リュートが特に愛好された16-17世紀のイギリスやフランスでは、日中の政務や行事に疲れた王侯貴族達が、夜にリュートの演奏に耳を傾けながら癒されていたらしい。)前述の記事の視点をごく単純化すれば、古楽の親密な響きが、仕事に倦み疲れた現代人(=日経電子版の想定読者?)の琴線に触れた、ということなのかもしれません。

記事中ではここでギタルラ社(東京古楽器センター)が登場し、同社が開講するリュートなど古楽器のレッスンに100人ほどが通っていることが紹介されています。さらに、代表の佐藤俊二氏の談として「古楽器による古楽の演奏会が増えるにつれ『自分もやってみたい』と始める人が近年増えた」とあり、楽器についても「約50年前にリュートとチェンバロの販売から始めた同社も、今は近代以前のフルートや打楽器まで100種近くを扱う」とあります。(亭主が2007年に同社からハープシコードを購入したことも、そのような流れを先取りしていたということかも?)

ここで記事の関心は古楽器の製作へと移り、取材先として表題にあるカテリーナ古楽器研究所が登場します。同研究所は大分県杵築市にあり、主催者は松本未来さんという方。「親子2代で50年にわたり古楽器製作を手掛ける老舗」とあります。

この部分を読みながら、亭主は当然のようにカテリーナ古楽合奏団のことを思い出しました。ところが、記事を終わりまで読んでも合奏団の方については言及がありません。そこで久しぶりにCD棚から「ドゥクチア」の音盤を取り出し、ライナーノートをしげしげと眺めるも、こちらにも「研究所」についての言及はなし。とはいえ、研究所の主催者と合奏団の主催者は同じ「松本」という姓を名乗っていることもあり、何か関係があるのではないかとネット上を調べていたところ、両者の元々の主催者が兄弟だったことが判明(研究所:松本公博[兄]、合奏団:松本雅隆[弟])。現在研究所を主催する未来氏は公博氏(2018年に他界)の息子さんだそうです(なので2代目)。

「ドゥクチア」のライナーノートによると、カテリーナ古楽合奏団の創設は1973年。研究所の方はそれより1年早い1972年に開設とあります。松本兄弟が、まずは古楽器の復元から着手し、とりあえず楽器や演奏法に一通り目星がついたところで楽隊を作って活動を始めた様子が想像できます。



亭主がカテリーナ合奏団のことを知ったのは2010年頃で(このブログでも紹介)、当時の日本ではまだ古楽そのものがマイナーなジャンルだったと思われます。研究所の方は、来年は開設から早50周年。日経電子版にこのような記事が出ているのを見るにつけ、今になってようやく時代が彼らに追いついて来たのかも、と感慨深いものがあります。

リンク:
NIKKEI The Style
カテリーナ古楽合奏団
カテリーナ古楽研究所








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Last updated  2021.11.14 21:37:31
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