カテゴリ:バレエ
楽しみにしていたマチュー・ガニオを見てきた。
東京バレエ団公演「ラ・シルフィード」。 シルフィード:斉藤友佳里、ジェイムス:マチュー・ガニオ、エフィー:井脇幸江、 そして一幕のパ・ド・ドゥには上野水香、スター総出演だった。 異例の飛び級でスジェからエトワールに昇進したマチュー・ガニオは、 本当に美しい青年だ。 ギリシャ彫刻のような彫りの深い顔、長身に長い手足、 農夫の役でも貴族のような気品、高いジャンプ、 これからずっとこの若者がバレエダンサーとして成熟していく過程を見守っていけるのかと思うと、 もうそれだけで幸せだ。 東京バレエ団のラ・シルフィードは、この作品で初めてトゥシューズというものを履いて踊った マリー・タリオーニの父親の振り付け・演出を復刻したラコット版だ。 今回、マチュー・ガニオを見たいという思いばかりが先走って、 東京バレエ団の「ラ・シルフィード」がブルノンヴィル版でないことを 私は事前に承知していなかった。 開演前のロビーで第一幕のパ・ド・ドゥに上野水香が出演すると配役表にあるのを見て、 あれ?第一幕にパ・ド・ドゥなんてあったかな?と不思議に思った時 気付くべきだった。 実際に幕が開いてからは、あれ?あれ?の連続。 そして、第一幕の終盤にジェイムスのあの有名なバリエーションを含むキャラクターダンスが 全てなかった時の私の落胆はもう言葉では言い表せない。 これで、第二幕を見る楽しみは完全に失われたとさえ思ってしまった。 ブルノンヴィル版の森の中のシーンは、音楽、主役二人のパ・ド・ドゥ、コールド、 全てが高い完成度を誇っていると私は思う。 大好きな場面だ。 それなのに、見られないなんて。 森のシーンには、ジェームスが素晴らしい足さばきを見せるバリエーションもある。 うう・・・、マチュー君でそれが見られると楽しみにしていたのに。 もう、こうなったら、後はただマチュー・ガニオを見ることだけを唯一の楽しみにしようと心を決めた。 そして、彼は私のその思いに十分応えてくれた。 ソロで激しく踊った後、少し苦しそうに顔を歪めた様子も、 カーテンコールでの少年のような明るい笑顔も、全てが可愛いマチュー君だった。 次に彼を見る時は、どんな大人の男性になっているだろうか。 楽しみに待つこととしよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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