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ろばの皮

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2005.08.15
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カテゴリ:バレエ
自分でも意外な展開なのだが、
どうやら私はルジマトフが好きになってしまったらしい。

初めて映像でルジマトフを見たのはガラ公演でのジゼル第二幕。
深い情念を感じさせて素晴らしいと思ったが
どちらかと言うと苦手なタイプかもと思った。

その後、ドン・キホーテのDVDで若い頃の踊りを見た。
素晴らしいテクニックと美しいラインに感心したが
発するオーラがなにやら物狂おしくて
やはり苦手だなと思った。

ところが、このドン・キの映像を何度も何度も見ているうちに
だんだん、このくらいやってくれないと物足りないなと思い始めた。
そして、キーロフの海賊のDVDで彼のアリを見て
完全にこうでなければいけないと確信した。
コンラッド、メドーラと踊る有名な洞窟のパドトロワでも
彼だけが別の世界にいる。雰囲気が彼だけ違うのだ。
そんな独特のオーラに目が離せなくなってしまった。

こんな風に、最初は苦手だと思っていたのに次第に惹かれ
ついにはファンになってしまうという経験は過去にもある。
ヌレエフとマラーホフだ。

この三人に共通するのは、自己愛の激しさだろうか。
あまりのナルシスト振りに淡白な私は最初引いてしまう。
しかし、ひとたびそのナルシズムの魅力に囚われたなら
普通にかっこ良いくらいではもう満足できなくなってしまうのだ。

そして、昨日、ついに生でルジマトフを見て
彼の放つ圧倒的なナルシズムのオーラに完全に魅せられてしまった。

普通、どんなに有名なダンサーでも、生の舞台を見ると
人間臭さを感じたり、現実の世界を共有している実感がするものだ。
しかし、ルジマトフは、そこにいながら生身を感じさせず
遠い別の世界にいるようだった。
眼差しは確かに客席を見ているのだが、その目に私達は映っていない。
違う何かを見つめているような、一種の近寄り難さ、
孤高の姿を見る思いだった。

特に、ラ・バヤデールのソロルは本当に素晴らしかった。
自分の保身のために女性を裏切ったとんでもない男のはずなのに、
ルジマトフが演じるソロルは時に神々しく、
途中涙がこぼれそうになったほどだ。
相手役のシェスタコワも彼の世界と一体となり
二人の醸し出す雰囲気はこの世のものとは思えない
まさに精霊の世界のそれだった。

このラ・バヤデールにあまりに感動してしまったので、
パキータでの打って変わった粋なルジマトフを見ても
ソロルの影を追ってしまうという不覚を演じてしまって勿体無かった(笑)
さすがに年齢もあって、ジャンプの高さなどはちょっと物足りない感じもあったが、
たっぷりと見栄を切ってみせるカッコ良さで全てチャラにしてしまう。
きっとこれを見たくて、ファンは彼の舞台に足を運ぶのだろうなと納得した。

昨日の公演で見る限り、思っていたより顔も身体もふっくらして、化粧も映え、
美しい姿だったのも嬉しかった。





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Last updated  2005.08.15 12:44:00
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Comments

 grand_tier@ く~てんさん はじめまして。 コメントを有難うござい…
 く~てん@ Re:レオニード・サラファーノフの王子さま(12/26) 初めて書き込ませていただきます。 私も…

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