何時しか孤老となりて・・・・・!
何にも知らずに心を獲られ、気付けば何時しか三枚目。

　一途な恋と思いきや、次から次に蝶まがい。

　見上げる夕空雲走り。行き先見えぬ明日の空。

　人恋しさに街角の呼び声誘い唄流れ、ふらふら歩くネオン街。

　今日から明日への曲がり角。七転八起の人生となだめる傍から涙が落ちる。

　唄の文句にほだされて、戻らぬあの日の想い出も遥か彼方の物語。

　ときめく心抱きつつ、逢えると思い向かった先で、傷つき夜明かし繰り返す。

　人の心の摩訶不思議。白と黒の入れ替わり。何で何でと自問すれども答えなし。

　たった一度の恋なれど、霧散拡散何処へやら、残りしものも想い出なり。

　心に描いたハッピーロード、崩れる音もなし。

　「逢わなきゃ良かった、逢わなけりゃ」心に想起繰り返し、
語る先さえありゃしない。

　ネオンの下で酔いどれのくだまく声に目をそむけ、人の悲哀の虚しさが
心に足跡残していく。

　何から何まで消え去りて、残りし愛の行く末は、空の彼方か心の底か。

　とぼとぼ歩く足下にゃ、風に吹かれしレジ袋、追いつ追われて舞い上がる。

　通りすがりの車中には、笑顔溢れて華が咲く。

　すがり付くカップルも夜の帳(とばり)に呑み込まれ、難問・奇問もありゃしない。

　「あなた逢いたかったのよ!」

   振り向きゃスマフォ通話の女性の声。我が身の不憫、悔いて悩んで過ごせしも、

　帰る家ある幸せを噛み締めながら帰路に着く。　　　　<　作:　詩　楽　麿　>