〈ジャーママスシッド〉
オールドデリーの中心はジャーマ・マスシッドかな。入り口まで車で行くことができるが、レッドフォートまで車で行って、密集した商店や映画館の立ち並ぶ人でごった返したインド的な町を歩いてみるのもいいと思う。これは好き好きがあるから近くまで車で行って判断してもいい。レッドフォートで降りる場合は観光客相手のリキシャがわーっと集まってくるから、無視するようにして振り切るとよい。リキシャに乗るなら先に料金を聞くべし。

ジャーママスシッドの入り口付近には物乞いの人が常にいて、“金持ち”日本人には必ず付きまとってくる。赤ん坊を抱いた人、子供、手・足をなくした人などさまざまである。一度渡すと次から次へということになる。気持ちとして渡したくなるのが日本人なのだが、渡したくても少し自分を抑えてとおりすぎるのがよい。インド人のガイドがいればその点については注意してくれる。
ジャーママスシッドへ入るのは無料だが、裸足で入らなければならない。靴を預かってもらうのに20Rs(50円くらい)とられるが、それが入場料のようなものだ。素直に金を払い無駄なトラブルを起こさないほうがよい。
建物の中央は礼拝用の広場で、周辺は回廊となっている。中に入って見るような物は何もない。礼拝の時間を待つイスラム教の信者が大勢ごろごろしているが、それを見るくらいである。
注意が1つある。天気のいい日は中に入るのをやめたほうがよい。広場に敷き詰めてある赤色砂岩がむちゃくちゃ熱いのだ。中央の池?の付近だけが白色の大理石なので立っていられるが、中央まで行ってしまったら人によっては戻れなくなってしまうかもしれない。私の場合2度失敗。熱くて横切れずUターンである。横切るには足をしっかり冷ましておいて、出口に向かってダッシュし、後戻りしないこと。
〈デリー市内を移動するとき〉
デリーはけっこう車が多い。ニューデリーに関しては、日本とたいして変わらない。混むのはコンノートを中心とした地域と幹線道路で、朝夕のラッシュ時間帯はもちろん、昼間もけっこう車が走っている。オールドデリーのほうは少し入ればゴッチャゴチャだ。車、オートリキシャ、リキシャ、人、のら牛等々、縁日状態のところもある。
ニューデリーの交差点の多くはロータリーとなっている。道はロータリーを中心に6方向へと放射状に分かれたところがあちこちにあるが、タクシーなんかに乗っかって移動していると自分がどの方向に向かっているのかわからなくなってしまう。タクシーに乗った場合、初めてデリーへ来た人の場合はもちろん何回か来た人であっても適当に遠回りされて実際より多めの料金を請求される場合がある。ところでタクシーの場合は注意することがある。ホテルから乗る場合必ずといっていいほどインドへは何回目かということを聞かれる。初めての場合であったら、うそであっても3回目とか4回目とか自信を持って言い、行き先をはっきりといったほうがよい。そうでないと土産物屋へ直行である。
オートリキシャはぼられる事が多い。メーターがついていてもいくらかかるかということを交渉してからでないと、数倍から10倍くらいの料金を請求されることがあるから要注意である。悪質なドライバーになるとメーターを動かさず目的地についてから通常の10倍近い“外国人用”の料金表を見せて料金を請求するということをするので要注意である。また注意していないと料金メーターの数値を客の目を盗んで少しずつ増やしていくということをやられてしまう。オートリキシャのメーターは手動で勝手に変えることができるのである。
ニューデリーを歩くことについては歩道がしっかりついているので問題はない。しかし交通量の多い道路を横断するのは大変である。横断歩道が少ないので適当なところを横切ることになるのだが、普段横切るのに慣れていない我々にとっては、かなり度胸がいる。インドの皆さんは大人も子供も非常にうまいタイミングで横断するので感心してしまう。まねして横断するときはくれぐれも注意を。
<フマユーン廟>
フマユーン廟はフマユーンの妃が1565年に建てたもので、アグラのタージ・マハールに影響を与えたと言われている。
非常に美しい調和の取れた建造物、とはいってもお墓である。入り口を入ってすぐさりげなく近寄ってきた身なりのきちっとした人がフマユーン廟のことについて話をし始めた。観光客相手のガイドとはわかってはいたが、初めてのところではあるし何も聞かず後について案内してもらうことにした。王の棺、第一后の棺、・・・・、また墓の方向と建物の作りの関係と・・・・。英語のあまりわからない私にもわかるようにあちこち案内してくれたのだが、最も印象に残っているのは内部の悪臭である。広いホールでも臭いのだが、狭い部屋(石の棺が納められている)に入るととんでもない臭ささである。コウモリがたくさんいて、コウモリの糞の匂いかと一瞬思ったが、いや違う。コウモリのいるところについては糞が山になるような洞窟に入ったことがあるのでわかっている。死臭か。思い浮かんだとき背筋がぞ~となった。
<アーグラーへ向かう国道で>
デリーの市街を抜けると、片側2斜線のきちんと舗装された真っすぐな国道が南へと続く。田園地帯の中にポツリポツリと見える赤いレンガの煙突が印象的だ。冷房の効いたバスに乗り、ゆったりとしてふと目を横に向けると中央分離帯の向こう側に向かう大型トラックが併走している。ややや・・・・、こちらの正面方向を見ると向かってくる車が見える。なに・・・デリーの町を出るときまではすべての車が同じ方向に走っていたはずだが・・・・。どちらの車も逆走である。以後同じ様な状況に何度も出くわすことになる。道路の構造を観察してみると、なるほどとうなずける。直行する道路や部落から出る道のところの交差点ができていなかったり、分離帯が切れていなかったりするのである。したがって、車は分離帯の切れるところまで逆送することになる。標識があるわけでもないし、警官やガードマンがいるわけでもない。
交通事故はというと、やはりあった。大型トラックがレンガを満載したトラクターにぶつかり、横転していた。運転手は道脇であわてている様子もなく座り込んでいた。
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