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鵜沼の山師

鵜沼の山師

インドヒマラヤの基地マナリ



【マナリ】




 場所はインド北部、ヒマチャルプラデシュ州北部に位置し、インド文化圏の最北端の中心的な町で、来たのロータン・ラを越えればチベット文化圏に入る。かつての中国文化大革命や中国国境紛争から逃れてきたチベット難民の数も多く、町を南北に貫く道路は、今なお紛争の続くカシミールへ続く軍用道路となっており、町の北には規模の大きな補給基地もある。

 マナリは市街地北部から流れ込むマナス谷(Manalsu nala)により旧マナリと新マナリ(現マナリ)に分かれている。旧マナリへは新マナリ市街地の北の端から西へ緩やかな坂を上っていき、マナルス谷の橋を渡ると部落へ入ることができる。旧マナリにも旅行客(外人)相手の土産物屋や小さな民宿もあるが、緑が多く農村といった感じである。

民家は古いものが多く、一階は納屋、二階はベランダ(廊下)のある住居で、屋根は近くでとれる薄く割れる片麻岩で葺かれている。農地はリンゴの果樹園が多いが、畑も多く、さまざまな野菜が作られている。野菜は毎朝新マナリのバザールへと運ばれている。




マナリの農家




 新マナリは、もとは避暑地であったようであるが、現在は商業・観光の中心地で、小さな商店がびっしりと並び、またチベット人バザールもあり人でごった返している。

 町はバスターミナル付近が中心で、生活に必要なものはたいていそろう。外国人観光客が多いこともあり、土産物屋はもちろん、レストラン、国際電話屋、インターネット屋、旅行社、本屋、等々困ることはない。アルコール類も普通に買うことができる。




バスターミナル付近




 銀行だが、両替の際日本と少し勝手が違う。入り口にはジャバラの鉄扉があり、それも50cmほどしか開かないようになっている。入り口付近にはショットガンを持った警官が2名、中にも見回り役の警官が一人いる。中にいるのはほとんど外国人ばかり。順番待ちのためのコインのようなものをもらい、呼ばれるまで長椅子で待つことになる。ところで換金についてだが、結構大変である。10$札10枚をRs(ルピー)に替えようとしたら、換金書類の一番下に”番号を全て書け”である。中にいた警官が教えてくれたが、偽札が使われることがあるのか、面倒である。お金を受け取るときは特別に作られた”檻”の中からお姉さんが無愛想に渡してくれる。100$を換えて出るのに1時間半もかかってしまった。お金を使うことはあまりないといってもある程度はデリーにいるうちに換えておいたほうがいいと思う。



(マナリの八百屋)



 インドへ行ったら食生活がどう変わるのか、長期間の生活に耐えられる食料が得られるのか、大丈夫とはいわれるものの関心があった。

 私はベジタリアンに近いのでまず青果物店を探した。バスターミナルに1軒、東側の路地に入れば何軒もある。野菜類は旧マナリ地区から毎日朝運ばれてくるので、新鮮かつ豊富である。いくつかの店を観察してみた。

 売られているものはダイコン、ホウレンソウ、ショウガ、ジャガイモ、オクラ、キュウリ、タマネギ、ニンジン、マクワウリ、カボチャ、トマト、長ナス、米ナス、ブロッコリ、カリフラワー、ネギ(アサツキに似る)、サトイモ、ニンニク、トウモロコシ、キャベツ、ニガウリ、カンピョウ、ピーマン、など、日本で見たことのあるものばかりである。調味料さえ日本から持参すれば日本の味はOKである。現地では思いつかなかったが、漬け物もOKである。だが水の問題もあるので注意が必要。




マナリの八百屋






 果物の種類も多い。バナナ(小さい)、パパイヤ、マンゴ、レイシー、リンゴ、プリンスメロン(?)、ココナッツ、ザクロ等であるが、リンゴ以外は南部の標高の低いところから輸送されてくるものであるが、新鮮である。


 どこの店でも必ずおいてあるものはマンゴである。芸術的に商品の積まれた店で最高級の特大のものを買い(日本円で20円)、ホテルで食べてみた。うまいことは確かであるが、完熟ではなかった。残りはザックへ。キャラバンをはじめてからザックをあけるたびに甘い香り。いつ食べようかと考えつつ我慢し、ボロゲン(5100m)まで持ち上げた。表面を押すと少しへこむくらいに熟したマンゴの香りと甘さを山口さんと分かち合った。

 インドの奥地へ入るときはマンゴを持っていこう。


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