演劇入門
演劇入門青年団リンク本広企画「演劇入門」原作/平田オリザ脚本/岩井秀人演出/本広克行出演/志賀廣太郎他2010年11月28日日曜日 19時開演の部こまばアゴラ劇場 全席自由席入場料金/3,500円観に行った何よりの動機は平田オリザ+本広克行かな。オリザさんの名著「演劇入門」をどう脚本化してどう舞台に乗せるのか?そして、演出が「踊るシリーズ」の本広監督である。何より、岩井秀人さんの脚本が良かった。まさに「演劇入門」。自身の演劇体験を見事に劇化。どういう経路で現時点、所謂、現代口語演劇に到着したかを物語る。その間、経験したであろう、数々の「演劇表現」が笑いを誘う。多分にカリカチュアされているが、現実からさほど遠くないような気もする。さて、私個人は演劇的演劇表現主義? だ。分かりやすく云うと、舞台表現としては成立するが、テレビや映画などの映像表現にはなりにくい、と云うこと。まあ、野田さんの作品が良い例だ。テレビドラマ化や映画化は絶対無理でしょ。そんなわけで、現代口語演劇、所謂、「静かな演劇」には懐疑的だった。が、この作品を観て、ああ、なるほど、静かな演劇を目指す人はそこに感動したのか、と云うことが理解できる。目から鱗だった。だからこそ、私みたいな「静かな演劇」に懐疑的な人が観る方がいいと思う。世界が広がること、確実である。本広さんの演出はまあ、及第点かな。映像の人が舞台を演ると圧倒的に失敗する例が多いのだけれど、この作品に関してはそんなことはない。ただ、映像畑の人が演劇を演るにはやはり演劇畑の人の発想を超えて欲しいという思いがある。そのことの希望も合っての及第点である。ただし、「踊る大捜査線3」よりは遥かに面白かったと云うことだけは付け加えておこう。12月13日月曜日までの上演。演技や演劇に興味のある方は是非どうぞ。それこそ、「演劇入門」である。