2010/11/23(火)08:11
<b>WHEELS OF FIRE(クリームの素晴らしき世界)/CREAM 1968</b>
Cream クリーム / Wheels Of Fire: クリーム の素晴ら しき世界 【SHM-CD】価格:2,400円(税込、送料別)
CREAMいいよ~。
しかしだ、「素晴らしき世界」とは・・ダレだ名づけ親は!
定年退職前のレコード会社職員とみた(笑)。武者小路実篤の「仲良きことは美しき哉」のようではないかっ!
その対極にある熱き(いかん、移った)ロックの結晶。
9曲目までがスタジオ盤、10,11,12曲目がライブと、商売が先行しているとも言えなくもないが、クリームのスラジオ・ライブで反転する表情を対比して味わうには最適か。
★★★★。
1.White Room
ドラムを始めたばかりのときの課題曲にした。
ズンターンタ・ツタドドタというコンビネーションを覚えるのによかったのである。
いま聴くと・・ちょっとヘタレなとこもあるが(笑)。
インプロビの間、いろんなオカズを試せるのも好都合だった。
本当はタムの音色の変化とかまで注意して聴くべきだったのだが、そのころはただバタクタ叩いているだけだった.
当時は割りに満足であった(笑)。
聴いて素晴しい、演奏して楽しい名曲である。
3人の出しているオトがナマに聴こえてくる。
2.Sitting on Top the World
スローなブルース。
ここでは鏡割ったナイフのようなギター、
ぐうう~っと押し黙ったベース、
ラフでちょっとなドラムのサウンドを楽しむとするか。でもここでのノリはあくまで重く重くだ。
いいテイクだと思う。
3.Passing the Time
ビートルズのリボルバーを想起させるドラッグ感のある主題1.2とイエスのRoundaboutのような弾ける主題の2つが交錯する。
そういえばYESのベーシスト、CHRIS SQUIREはJACK BRUCEのファンだったらしい。あの鋭利なナタでぐいっぐいっと削いでいくようなベースサウンドは案外、このあたりにヒントがあるのか?
実によくできた曲である。
4.As You Said
ジャック・ブルースがアコギ、セロ、ヴォーカルを一人でやっている。
なんて上手いんだ!!
ベイカーがハイハットのみで参加している。
結構存在感があるオトだ。
この曲はあとのBLIND FACEの重厚な存在感につながっている気がする。
ヴォーカルの音程が8分の1音くらい不安定にゆれるところがぞわっとする。
5.Pressed Rat and Warthog
アートロックの魁?
パープルのファーストアルバムHUSHの一曲目はこの曲の影響を受けている?と思ったがパープルのデビューも同じ68年、それはないか。
雰囲気がとても似ているのだ。
そういう時代だ、と言われてしまえばそれまでだが。
6.Politician
デーデ、デーデッ、デデデデのリフが印象的。恐竜がのしのし歩いているようなサウンドは誰もが一度聴いたら忘れないだろう。
Sunshine of Your Loveと同様、リフで勝負、3コードの何てことない曲ではある。だからこそ3人のワザの妙味を楽しめるのだが。
なお芸のないように思われがちなベイカーのドラムは、ここでは16ビートシャッフルを余裕でこましております。クラプトンのギターはここではそんなにでもない気がする。
7.Those Were the Days
とつぜんお約束のように始まるインプロビがおかしい。
どうもベイカーのドラムはいつもどおりで頭が悪い。
タカタカだけでなくもっと多様なルーディメントを用いるべきだ(って今言ってもしょうがねーか・笑)
8.Born Under a Bad Sign
わりにコテコテなブルースロック。
ドラムのカンカンというカップ打ちでサウンドが締まっている。
ここでのクラプトンのギターの音色のポリシーは基本的にはイマと変わっていない・と思ったが私はギタリストではないのであまり断言しないほうがいいか(笑)。
9.Deserted Cities of the Heart
クリームで一番好きな曲である。
このバンドの持つ4リッタークラスのドライブ感(クルマで言えばのことです)がたまらない。
走っているような重苦しいような(笑)。
ジンジャベーカーのキメつけるようでいて、ジャズ畑出身とは思えぬドタバタドラムも(笑)味がある。
なにせ68年、今の技術レヴェルで比べるのはよろしくないとも思う。
10.Crossroades
あのときクラプトンも~若かった~。
ベースとギターの火花散る真剣勝負。
ドラムもどっちの味方でもない!(笑)。
本能にまかせた怪獣の三つ巴の戦いだ。
クラプトンがゴジラ、ブルースがキングギドラ。
ベーカーはまあ、アンギラスか(失礼なっ!)
うむ~ここまで好き放題弾きまくるベースがあろうか。
何だこの人という気もする。
ギターソロのときに、同じくらいの手数で勝負してるし。
とにかく聴き応えの最高な曲。
11.Spoonful
ベースが曇った音質でぶろーんぶろろーんと鳴る。
ギターもルーズな感じで弾く。
後半、またもや凄まじい(けたたましい)バトルへ。
12.Traintime
ブルースのブルースハープが(笑)物凄くソウルフルだ。
いいね~!!
13.Toad
長いベイカーのドラムソロが聴ける。
ソロはこんなにできるのにバッキングになるとなぜヘタレなのかが不思議である(笑)。
後半、音階をつけてあるタムが曲をかなでるような趣向になってくるところが良い。