2011/02/07(月)19:54
HOUSES OF THE HOLY/LED ZEPPELIN 1973
途中ギターソロがギンギン弾きまくるという典型的なHRはほとんど見当たらず、抽象的でサウンドそのものや構成力で聴かせるタイプの曲が多くを占めます。
そしてこれまで以上に、民族音楽を多く取り入れています。
発売当初評価が低かったようですが、私は「これぞツェッペリンサウンド!」という風に感じますね。
私も後になって気づいたことですが、彼らが他の追随を全く許さない音楽的境地を築いたのはこのアルバムだったのではないでしょうか。
それにヒプノシスの幻想的なカヴァーデザインが実に素晴らしい。
桃源郷じゃあ~。しゃんぐりら~。
昔はよくこのでかいジャケットをでんと開いて、目と耳で味わったものです。
それだけにジャケが悪いと落胆もひとしおでしたが・・。(例:パープルのFIREBALLなど)
1.The Song Remains the Same
一曲目にハード目の曲をズドンと持ってくるのがツェッペリンのアルバムの特徴ですが、ここでも鋭いキメを持つ曲から来ています。
ペイジの澄んだ音色群の中にところどころ顔を見せる思い切り歪んだギターが印象的。「清濁合わせ飲む」アプローチです(って意味不明)。
普段控えめなジョンポールもしなやかな動きのバッキングを見せます。
2.The Rain Song
ここでジョンポールのメロトロン全開。
幻想的で深みがあり、非常に美しい曲。もし演奏するとしたらこれかな。
前半ゆったりと引っ張って、真打登場!とばかりにドラムがずう~んと登場するシーンは何度聴いても大感動。あまり手数を用いず、バスドラとのコンビネーションだけで聴かせてしまうボーナムの非凡さ・・。
3.Over the Hills and Far away
途中にわかに60年代後半ぽくなってくるところが興奮します。はじめ実験曲っぽいなあ~と思いましたが、何度も聴いているうちにじわじわじわと良くなってきます。このアルバム、そういう曲が多いです。
4.The Crunge
ボーナムとジョンポールのファンクっぽいリズムセッションさすがです。
わずかな走りもタルミもありません。
プラントのボーカルはどんなオトの実験にも最適だな~。
もっと複雑になるとさらによかった気もしますが、そうなるとライブで演奏不能曲になってしまいますかね?
5.Dancing Days
不思議な旋律。
メロディがあるようなないような。きっとないのでしょう。
中近東風味?
それでも飽きないのはこの米俵の上でシコを踏んだようなドラムサウンドゆえでしょうか。
6.D'yer Mak'er
なんとレゲエをここで試しています。
ドラムの音がかなりライブに(残響音大きく)振られています。
こうしたオトの採り方、日本のプロデューサーにもかなり影響を与えたのではないでしょうか。
ペイジのチャカポコしたギターもペイジの甘ったれた歌い方もお茶目で味あり。
7.No Quarter
アルバム中、最も気に入っている曲です。
並のHRバンドを遥か彼方に突き放すような4人の存在感。
そしてジョンポールの絶妙にウネるシンセは実に「ウタゴコロ」を感じさせます。
8.The Ocean
次作の「フィジカル・グラフティ」に繋がるような、変則リズムを塊にして叩きつけるような演奏です。後半は民族音楽の代わりにちょっとベタなオールドポップのテイストをまぶしてみました、ってところでしょうか・・。ちょっと習作っぽいですが、まあ後味は悪くないので良しとしましょう。
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