オフミの温泉メロディ

2010/12/05(日)06:16

YESSONGS/YES

洋楽(ロック・クロスオーバー)(42)

イエスのライブというのでどこまであの複雑に入り組んだ曲を再現できるのかな~と思っていたら、あまりにも「まんま」なので驚愕した覚えがあります。  しかもアラン・ホワイトなどはドラマーに就任して一週間くらいで演奏した曲もあるそうな。化け物のような技術です。   当時確かLP3枚組みで5000円くらいしたでしょうか。今の感覚でいうと電動髭剃り一個買ったくらいの買い物です(ややこしいか))。 ジャケットも非常に美しく、それを眺めながらレコードに針を落とす瞬間の楽しみというのは何ものにも例えられない思いがしたものです。 とにかくこの複雑なサウンドをほとんどノンミスで演奏できてしまう彼らの技量は驚異的でした。 中にはクリス・スクワイヤのベースやアラン・ホワイトのバスドラがスタジオ以上にズシンと響いてより気持ちいい曲もあります。 このあとイエスの曲はどんどん詰まらなくなっていくので、ベスト・アルバムとして楽しむのもテでしょう。 1. Opening [Excerpt from "Firebird Suite"][Excerpt] ストラヴィンスキーの「火の鳥」。少しづつ静かに盛り上がり、緊張と期待とを高めるイエスらしい最高の演出でしょう。 2. Siberian Khatru 好きだなーこの曲。イエスの良さが凝縮しています。この曲には美しさ、躍動性、各パート最高のパフォーマンス、イエスのすべてがあります。 ギターの3回目から変拍子になるところ、ずいぶんと地味に根気よく演奏しております(笑)。  リズムセッションのオトは、スタジオ版より迫力がありガンガンきます。 3. Heart of the Sunrise  これもキメが多いのによくもここまで精密にやれるもんです。  こういう長い曲をうざったくなく気持ちよく聴けるのはジョン・アンダーソンの、どこか聖歌隊のような上品なボーカルが貢献しているのではないでしょうか。 これがオジー・オズボーンだったらと想像してほしい(意味ないか)。  リック・ウェイクマンのキーボードも実に色とりどりでこれもすばらしい。 4. Perpetual Change  牧歌的でイエスらしいメロを持つ佳曲。  変拍子のキメなどはハッキリと決めていますが、中盤みんなであまりにギンギン弾きすぎて、ややガヤガヤした感じになってしまったか・・・。 5. And You and I: Cord of Life/Eclipse/The Preacher the Teacher/The Apocal 私はこの曲が好きです。 Yes版サウンド・オブ・ミュージックという趣もあります。 特にキーボのきゅい~んというオトに耳が行ってしまいます。 6. Mood for a Day 美しいメロのスパニシュ風ギターソロ。 ここまで緊張感のあるギッシリ詰まった演奏が続いていたのでホッとします。 曲も演奏も文句なし! 7. Excerpts from "The Six Wives of Henry VIII" [Excerpt] お次はリック・ウエイクマンのソロ「ヘンリー八世と六人の妻」よりキャサリン・オブ・アラゴンやジェーン・シームアなど。ピアノ→シンセと続き、例の六角形に組み合わせたキーボ群を華麗に弾きこなすウェイクマンの姿が目に浮かぶようです。 ただ・・ピアノはいまひとつ繊細さがないし、シンセは荒っぽく下品になり切れないところが、まあリックの持ち味か。 8. Roundabout  フルメンバーに戻ります。  やっぱりカッコエエです・・。  惚れ惚れします。  「耽美的なロック」・・そんな感じです。そのわかりやすい美しさが、「イージーリスニング」と揶揄される所以ですが(笑)。  途中タララタララタン、のキメがちょっと音符つぶれたけど、それは置いといて・・。  本当はこの曲で締めくくるのがお約束、実際の演奏もそうなっていたはずですが、アルバムにうまくおさまらなくてこうなった模様です。 9. I've Seen All Good People: Your Move/All Good People この曲、変にノー天気で私はあまり好みでありません。 ハウのギターはうまくぶっちゃけててよろしいですが。 ブルースフレーズ皆無、チョーキングなしでここまで弾くというのは実に非凡です。 10. Long Distance Runaround/The Fish (Schindleria Praematurus) このドラムはビル・ブラフォードが担当。 劇的に展開しつつ一人一人の見せ場をつくっていきます。 クリスのソロは、バックでガンガン弾いているときの方がクレイバーな感じがします。 これだけ圧倒的な力量をもったベーシストなんだから、ソロではもっと劇的なアプローチをしてほしかった。と、40年前のことを今いってもしょうがありませんが。 11. Close to the Edge: The Solid Time of Change/Total Mass Retain/I Get Up  スタジオ版と比べればさすがに音の荒れはあるものの、何べん聴いてもこの曲は絶品です。  こんな曲、この時代にしか出てこないだろうな~。  特にカッコイイと思うのは、ボーカルの裏でユニゾンで行われるンッズンズンンッパッパッパッという(こう書くとアホみたいだけど)重厚なキメ。これは神がかってるフレーズですよ。  この曲に合うボーカルは彼以外思い浮かびません。 12. Yours Is No Disgrace  イエスの明るく華々しい面が目いっぱいハイライトされています。  クリスのベース、やっぱりイイ!!  またアランホワイトの骨太なドラミングが曲を締めています。  後半のギョワワワ~ンというキメはどうもオドロオドロしくて好きになれませんが・・。 13. Starship Trooper: Life Seeker/Disillusion/Warm  イエスにしてはどことなく像を結びにくいぼわ~っとした曲ではないでしょうか。  やはり8.で締めて欲しかったなー・・と思っていると、ワームではリックの耳に心地よいシンセが響き渡り、ハウが加わると、さすが旨みの総動員、壮大な一大絵巻をつくりだします。  このエンディングはなるほど、後味よく決まりました。 閑話休題。 「生きてるミュージシャン」でベストなバンドをつくるとしたら、どういうメンバーがいいかなとふとよくある設問が浮かんできました。  私はベースには迷わずこのクリス・スクワイヤを入れます。  こんなに音とフレーズがビシッと決まっているベーシストは他に知りません。  他のパートは・・。  ドラムはヴィニー・カリウタ、アラン・ホワイトではちょっとイエス色が出すぎますので。  ギターは当然ジェフ・ベック、ボーカルにスコーピオンズのクラウス・マイネ(今、声出てますかね)、キーボは、さてどうしたものか・・。ケン・ヘンズレーは元気?

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