2007/05/03(木)08:12
SONORITE/山下達郎 2005 天才・山下にしてこの盛り下がり感はやや無念
ヒット・シングル5曲、未発表のCMタイアップ曲、他アーティストへの提供曲のセルフ・カヴァーなど、非常にバラエティに富んだ曲が一枚のアルバムに詰め込まれている。
それゆえ、アルバムとしての統一感は希薄で、タツローの作品の中ではなんだかな~という一枚。
煌くようなメロディとスケールの大きい歌詞に一流のスタジオ・ミュージシャンの高度な演奏をてんこ盛りにしたゴ゛ージャスさは影を潜め、どことなく、どこーとなく「淡白になったなあ・・」という印象だ。
年のせいなのかオトの流行か。
でもタツローは日本の誇る優れたミュージシャンだという尊敬の念は変わらない。
★★★☆
1. MIDAS TOUCH
2. KISSからはじまるミステリー
3. FOREVER MINE
4. 忘れないで
5. 風がくれたプロペラ
6. ラッキー・ガールに花束を
7. SECRET LOVER
8. フェニックス (2005 REMIX)
9. LIGHTNING BOY
10. 白いアンブレラ
11. 太陽のえくぼ (ALBUM REMIX)
12. 2000トンの雨
13. WHEN YOU WISH UPON A STAR ~星に願いを~
1.などは曲は凄くイイと思うのだがこれもサウンド作りが淡白すぎ。
とくにブラスのソロでのバッキングが隙間風が吹いて懐寒い感じかする。
2.は出だしがスイートだが、ラップ調の唄い口が何度も聴いているとウザく感じてしまう。
竹内まりあの曲に似たのがあったなあ。確か「夢の続き」だ。
3.は名曲「ゲット・バック・イン・ラブ」に似てそれに及ばない。
(同様に6.は「風のコリドール」、11.は「レッツ・キス・ザ・サン」に似てそれに及ばない)
4.はまるで60年代後半の歌謡曲。「♪別れの朝~」とか、そんな感じ。
こういうのは実は嫌いではないのだが・・。
5.こういう曲想は「シュガー・ベイブ」時代の若々しい純な感性を思い出した。
演奏もベイブ風だと、もっと良かったけど。
6.は前述の通りだが、じっくり聴くと悪くない。
7.この曲も、歌詞を味わいながらじとっと聴くのに適する。サウンド構成の単純さが功を奏している。
8.はちょっとしんみりしてしまった。この人の歌い方、やっぱり好きだな~。
9.は力強いがもう一ひねり欲しかった。ベースをチョッパーでゴリゴリやるとメリハリが出たか。
10.も淡白ではあるがバカラック風でよろしい。このアルバム中一番好きな曲だ。
美しい映画を見終わったような爽やかさが効く。
13.はスタンダード・ナンバーのプレゼント。ここだけサウンドがドリーミーなのでトータルな印象を壊しているようにも思えるが、まあここは四の五の言わず、ありがたくシンガー達郎を鑑賞するとしよう。