2010/05/22(土)05:49
後先考えぬ前衛建築に違和感 鳴子早稲田の湯
早稲田の湯に来たのは、実に15年ぶりくらいです。
当時の印象は、厳しいようですが、「前衛的な温泉浴場なんて、イラナイ!」というものでした。人々が温泉に求めるものって、そういうことじゃないのではないか。
わざとわかりにくくしている入り口、コンクリート打ちっ放しの落ち着かない脱衣場、無意味に区切られている浴槽、などどれも建築家の自己満足の所産のようで、どう寛いだらよいのやら、途方に暮れる施設だったのです。
今回立ち寄ったのは、「ごろ寝休憩に寄るテもあるな」ということでした。
クーポンはたったの2枚だし。
でも久しぶりにみた早稲田湯はけっこう気の毒なことになっていました。
凝った入り口のドアは朽ちて工事現場の入り口のような仮設がついているし、脱衣上は古びたぶん、欧米の高速道路のトイレを思い出す。その他壊れてしまっているところが多数。
おそらくほとんどが「特注」なので、既製品にくらべてガタがきやすく、直すにも高額でどうしようもないのでしょう。
風呂場の色もあせて、湯の成分による劣化を計算してなかったなあ・・という失敗感がありありなのです。湯は高温のためけっこう加水されていて、スカスカ・・。
だから風呂ってのはカッコだけ考えて作ってもだめなんだってば!
この施設、あと10年後にはどうなっちまうんでしょう?
たぶん温泉のコンセプトに忠実につくった「滝の湯」はどんどん味が出てくるのにたいし、こっちは「劣化」の一途・・。
わたしは温泉街の共同浴場は(地元民用以外は)基本的にイラナイと思っているのですが、この早稲田の湯ははじめから失敗だったと思います。
風呂もごろ寝処も空いており、その点では目的を十分達成できたのですが、なんだかなあ