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オフミの温泉メロディ

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Aug 26, 2018
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お盆の最中で、どこもホテル旅館は満員・・というのが常識だが、実は、こういうときこそドタキャンで一人旅の枠がぽっかりと空くときがあるのだ。

盆の14日、朝から私はなんだか気持ちがぱたぱたしてきた。自分のなかの「宿日和」というやつだ。

 

いつも空いている宿はある(たいてい難ありで、エリアごとの一覧で最後のほうに来る常連)が、それなら無理していくほどのことはないし~と懊悩していると、楽天トラベルで、一人モノがやはり出たっ! 

 

「亀屋」と「ますや」。

「ますや」は大江戸温泉系列になって、ちょっと偵察したい気分にもなったが、やはり私の中で安心感があるのは「亀屋」。

 

何回か泊まらせていただいたが、丁寧な応対とちゃんとした食への姿勢は私の中ですっかり定着しているので、即、予約し、30分くらいで支度を済ませ、妻への慰謝料も払って玄関を飛び出した。

 

ホテルのフロントにいくと、やはりお盆、地元の従業員は結構休んでいるのだろう、ベテランの女性が一人切り盛りしていた。

 

私が予約できたのは「味噌っかす」みたいな部屋なのだが、それでも案内してくれるというので、謝絶すると「お気遣いいただきありがとうございます」と深々と頭を下げられた。「亀屋」さんの好きなところはこういう所なのだ。従業員さん一生懸命。

 

部屋は広いシングルルーム。もともと畳敷きだったのかな、レイアウトがなんとなくぎこちない。そうそう、私は最近、ホテルの企画を手掛けるようになって、プライベートでくつろぎにきていながら、ついついこまごまとチェックする癖がついてしまった。

 




たとえば、こんな感じ。この3階に、廊下に男女別のトイレがあるが、平面図を見る限り、トイレなしの部屋はない。ならば、これを取っ払ったらどれだけコストダウンになるか。

平面図といえば、HPには東館(高級)と西館(低廉)のような分け方だが、どうみても(外がわに回って、そしてグーグルマップでも確認した)増築部分は真南だ。なぜ、こういう区分けをしたのか・・謎だ。

 

最上階の展望風呂、とても見晴らしがいい。鳴子の自然と街並みのエッセンスが見渡せる。でも、正面の坪庭の部分に、避難通路の入り口みたいなのが突き出ていて、とても気になる。田舎の、通学用の地下通路の入り口にちょうどそっくりだが、ここを通って、どこにつながるのだろうかと、とても気になった。

 

ゼーゼー・・・。私は何をしに来たのだ。

いやいや楽しみましたよ。

うるさい家族がいない幸せ。寝転がってスマホで「くつろぎのビデオ(何?)を見る幸せ。

 

風呂は相変わらず素晴らしい。露店風呂に入っていると、ときおり陸羽東線が上を通り過ぎるのが見える。鉄道ファンでなくても、心が躍る。そうそう、このとき、すわっ、来たとばかりに身を乗り出してはいかん。放送事故になるので

いい風呂だったな~と脱衣場で扇風機にあたってうっとりとしていると、やにわに股間にちくりと刺激があった。

 

ついに発病したか!とぎくりとして箇所をみると、なんと大きなアブが私の股座にとまっているではないか。

お前は蚊のように生き血を吸うわけでもないのに、なぜ無用の殺傷をするのだ、この不届きものめ!と捻りつぶしてやろうかとも思ったが、とたん芥川の「蜘蛛の糸」が頭をよぎり、仏心が芽をだした。

「こやつも、好きでこのような稼業をしているのではない。たまたま、露天風呂と内風呂とを行き来するドアが開いたときに紛れ込んでしまったのだろう。そして、この脱衣場という不毛の地で、食うものも何もなくて私の股間などで糊口をつないでいるのだろう」と悟るに至った。

 

私のような気持になったのはこれまで何百人もいたかして、風呂に虫取り網が置いてあった。

私はそっと網をアブにさしのべると、彼(彼女)は自分からそこに入っていった。

「お前は私の気持ちがわかるのかい」とささやいたとき、あるものが目にとまった。

網の中に、先住民たる田亀の死骸が入っていたのだ。

 

私は露天風呂から大きく網をふるってアブを野に放った。

これで私の日常は日常に戻った。

 

言っておくが、これは亀屋の衛生管理が悪いわけでもなんでもなくて、少しでも自然に接しようと思えば、必ずつきもののことなので、それがいやな人はドーミーインでもアパでも行けばいいのだ。かなり乱暴なレポになってしまった。

私のなかで亀屋最高!という気持ちにゆらぎはない。

 

 

夜は、地元の居酒屋に行って、酔った勢いで盆踊りに参戦!

 

続けば続く。



鳴子温泉 ホテル亀屋






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最終更新日  Aug 26, 2018 06:11:30 AM
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