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オフミの温泉メロディ

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東北以外の温泉

Dec 14, 2020
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カテゴリ:東北以外の温泉

寛永年間(1627年)創業。この年、日本では後水尾天皇と徳川家光が「紫衣事件」を起こしている。この宿がいかに激動の年月を旅籠として生き抜いてきたか感慨深いものがある。

 

今上天皇をはじめ、多くの皇室の方々の常宿の栄を受け、漱石や子規、虚子などが遊んだ道後一の由緒と格式を持つ宿である。

 

自然の小川(御手洗川)を取り込む1500坪の日本庭園「詠風庭」。


子規が

~亭ところところ渓に橋ある紅葉哉~

と呼んだ「亭」とは今眼前にある、川席料理も味わえる「ちん」のことだろうか、「橋」は今は2つの建物を結ぶ通路のことだろうか。

この連絡通路をいまは「もみじ橋」と呼んでいるが、から庭園を見下ろす趣向もまた気分が良い。

 

部屋は一人一部屋でとってある。鉄平石の三和土(たたき)、次の間、檜の部屋風呂もそなえ、実に広々としているうえに華美でもなく、老舗の落ち着きがある。


私の部屋からは真正面ではないが、部屋のテラスから庭園を眺めるのは日本旅館に泊まるときのおおきな楽しみである。



 

大浴場の空間は、宿の規模からすると標準的ではあるが、入れ替えで翌朝入った方は、床材まで古代檜を使用したもので、道後本館から引いているぬるつるした湯との相性がとても良い。



この宿は、風呂場の前にバスタオルとフェイスタオルのセットを山積みしてあるので、手ぶらで何べんも通えるのも魅力。そうそう、庭園には
~朝湯こんこんあふるるまんなかのわたくし~
という山頭火の句碑もありましたっけ。「まんなかのわたくし」とは凄みのある言葉です。

 

今上天皇が泊まられた部屋を新館に移築した展示スペースや、絵手紙の創始者「小池邦夫」の作品を集めたギャラリーが設置されており、この宿には効率だけを求めない、品のよい贅沢さが感じられる。

 

さらにいうと、松山という街がそうだ。街並みにゆったりした風趣があり、古いものが残っているだけでなく、古さを再現するにもほどよいデザイン性が認められるのである。夜の道後温泉駅付近を散策していて、たまたま路面電車が停車したのだが、その駅舎と電車の重なり合いが非常に美的であった。

 

夕食は専門家の方々と会合だったので、朝食のみいただいたが、これも味付けが丁寧で豊かさを感じる。少しづつ違いを味わえるちりめんや佃煮が食欲を駆動するのでつい食べ方が下品になってしまう。

 

チェックアウトの後は品格あふれるロビーでサービスのコーヒーを。私はコーヒー味音痴であるが、同行の人は「すごく美味いコーヒーですね」と言っていた。私はこの雰囲気の良さをより味わっていた。

 

私は昔からコスパという言葉がサモシイ感じがして大嫌いなのだが、この宿は時期によってはそう無理なく泊まることができるので、とにかく手放しでお薦めできる。


道後温泉 ふなや







最終更新日  Dec 14, 2020 04:25:28 PM
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Oct 13, 2020
カテゴリ:東北以外の温泉

道後温泉「茶玻留(ちゃはる)」は、部屋の和モダン風は気に入らないにせよ、実に善美な宿であります。

 

核心のお風呂ですが、これはほぼ満点といいたい素晴らしさです。

風呂場がそもそもかなり広いのですが、2階にわたっていて、屋上の展望露天は、松山の市街が広く展望され、夜は夜景が実に見事に映えます。

これを日本最古の湯につかりながら堪能できるのだから、「私が詩人や俳人でありせば」という気分となって立ち去りがたく、湯舟の附置に腰掛けたりしながらそこに居続けました。

写真は楽天トラベルより


 

いつも同じことを言ってしまいますが、私は旅館の朝食に目が無くて、朝から品数が多いのがとても盛り上がります。

本来はビュッフェ形式で提供するらしいのですが、感染対策で、一人づつお膳形式で持ってきてくれます。

こういうところで写真を撮る姿はとてもみっともないと思うのですがついパチリ。


 

う~む、感動の充実ぶりです。一眼レフで、絞りなど工夫して撮りたいくらいです。

この赤いお粥がまたいいでせう。これ、なんだっけ、朝食の時に渡された能書きに書いてあったけど、忘れてしまった。ちょっと宿のHPなどで調べたけどわかりませんでした。

 

そんなこんなで、この道後温泉「茶玻留」、かなりおすすめできる宿です。

 

道後温泉本館は実物を見ると圧倒的な存在感を放っており、仕事をうっちゃってでも、ぜひとも入りたいと思っていたのですが(そりゃいかんでしょ)、ああ、痛恨の大規模改装中。


 道後公園も一周しました。公園というカテゴリーで括れるのかと思うぐらい広大で変化に富んでいます。

 

ahoo!ロコより抜粋

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伊予国の守護、河野氏の居城であった湯築城(ゆづきじょう)跡に整備された、面積8.6haの県立都市公園。堀や土塁など、城の地割が当時のまま残る湯築城跡は、国の史跡に指定されている。埋蔵文化財発掘調査が行われ、中世当時の湯築城の武家屋敷跡や土塀跡、道、排水溝などの遺構や、陶磁器などの遺物が数多く出土しており、それらを湯築城資料館で見ることができるほか、武家屋敷が復元されている。園内には、松山ゆかりの俳人、正岡子規を紹介する松山市立子規記念博物館や、通称「湯釜薬師」と呼ばれる県指定文化財の石造湯釜などがある。丘陵地となっている展望台からは、松山平野が見渡せ、遠く瀬戸内海も望める。

*****************************

 

と、ここで河野氏とは・・と始めると司馬遼太郎的大寄り道大会になるのでこのへんにして。

 

かように道後温泉そのものがとても魅力のあるところで、残念ながらわが宮城県にはこのような素晴らしいところはないのであります。

 

松山市にはこれからも何度も行く用事があるので、何度でもこの地を訪問したいですね。

なお、松山空港で必ず大量に買って帰るのが「じゃこてん」です。

かるくあぶって唐辛子を振って食べるもよし、温めてうどんにのせても美味しい。


 


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道後温泉 茶玻瑠
CHAHARU離れ 道後夢蔵 








最終更新日  Oct 13, 2020 05:04:45 AM
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Oct 11, 2020
カテゴリ:東北以外の温泉

少し前のことですが、愛媛県松山市にはナノファイバーの開発拠点があり、今後の商品化の打合わせに行ったついでに、道後温泉に行ってきました。

ウイルスによる緊急事態宣言が出されていたころで、記録には6月6日とあります。

「万葉集」にも記され歴代の天皇陛下にも愛された、ただならぬ由緒のある温泉で、いつか訪れたいと思っていました。 

松山市街からは路面電車でほんの数分で到着。

起伏の多い地形に大小さまざまの宿がひしめき、アーケードには飲食店やみやげ屋が軒を並べ、中央部にはかの有名な道後温泉本館が鎮座するなど、まことに興味深い、「ザ・温泉街」ともいいたい風情です。



閉じている店も多かったのですが、ちょっと立ち寄りして名物「みかんビール」を一杯。みかんといってもいろいろな種類があり、どれにするか迷います。

伊予に来たことが実感される、なかなかいけるお味です。

 

時期が時期だけに客は閑散としていましたが、「これは実に実にいい処だわい・・」私はかなりありきたりに独り言ちました。

 

選んだ宿は、一人一部屋づつ予約が可能な中で、ややハイクラスの宿「茶玻留(ちゃはる)」を選びました。昔、なにかの温泉ガイド本でちらりと見たのが記憶に引っかかっていたのです。時節柄、料金は普通です。

 

この宿、ほどよくゴージャスで品格があり、館内の装飾にはところどころアートな感覚がみられます。俗な感じがないのが心地よいです。

 

部屋はこのようないわゆる「和モダン」の系統で、正直こういうのは好きではありません。最近よくあって閉口してしまうのですが、せっかくしっとりとした和室にIKEAの洋風家具を持ってきた体で、私にはどうも安っぽい感じがしてしょうがない。でも、評判がいいから増えてる、のでしょうかね。




部屋は竹林に臨み、眺望はまずます。

仕事の流れで夜はどうなるかわからなかったので、朝食のみ付くプランで申し込んであります。旅館街をぶらつきながら、夕食会場+一杯やる店を探しました。

ここで掘り出し物に遭うのですね。

「椿倶楽部」。

スタッフはみんな明治時代のカフェの店員さんのような(その時代は知りませんが)コスチュームで決め、つくりも隠れ家のようで、実に不思議な雰囲気。そのうえ出される料理は一品一品が一工夫あって、とてもおいしいのです。女将さんは仙台の方でした。




二次会は「坊ちゃん」という小さい居酒屋さんで、カウンターには地元のお客があふれてワイワイやっていました。ここのおばさんが実にユニークというかぶっちゃけた人で、いがらっぽい語り口が面白かったな~ビールを一本頼んだだけで、とくにメニューというようなものはなく、「お新香かなんかないですか」と言うと、冷蔵庫からでっかいタッパーを出して、「この中の物食べていいよ」。

結局一人500円くらいの払いで終わってしまいました。

「ワンコインの店」がキャッチフレーズ。ランチも500円ポッキリと書いてあります。こうなると、飲み屋というより、地元民の「たまり場兼酒類及び食糧の供給基地」のような存在ではないかしらん。なんともユニークな店です。迷惑をかけるといけないから店の写真は加工して不鮮明にしておきます(あまり意味ないか)。





 

続く。

道後温泉 茶玻瑠

 









最終更新日  Oct 11, 2020 05:04:41 AM
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Oct 24, 2010
カテゴリ:東北以外の温泉
森鴎外が名作「舞姫」を執筆した居宅がそのままに残され、それをぐるりと囲むようにして旅館やビジネスホテルがつながっています。

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今回は出張での利用でしたのでビジネス棟のシングルルームでしたが、館内のそこここに鴎外をしのばせる展示がなされ、並のビジネスホテルとはひと味もふた味も違った楽しみ方ができます。

しかもなんと!都心の一等地にあって、ここは天然温泉が沸いているのです!

泉質もめずらしく、ラジウムを含む炭酸泉。

このワイン色の湯をご覧ください。浴槽も十分大きく、洗い場の桶も木製で、どこか地方の温泉旅館に来たような気分になります。

男子は朝はこの大理石風呂、夜は込んでいて写真を撮ることができませんでしたが、すばらしい漆塗りの桧を使った浴槽です。

夜は修学旅行の団体さんが入った後だったのでだいぶ汚れた感じがしましたが、朝は6時からの一番風呂。悪かろうはずがありません。湯面のところどころに、炭酸の泡が浮いています。

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暑い日でもないのに風呂上がりに汗をかいたので驚きました。

部屋はどうということもない狭いシングルです。文豪の宿に情緒も興味も感じない人にはほとんど評価にならない宿かもしれません。

庭園を臨む和食処でいただく朝食は、和食弁当と和食ビュッフェの合作で、テーブルに供された和食に、さらに好みでさまざまなお鉢を持ってくることができます。

私は鮪山かけと明太子の鉢を選びました。

DSC02396

最後に食後のコーヒーも入れてくれます。
この和食は実に満足度の高いものでした。
ここに泊まって、この朝食をいただかないテはありません。ただ基本料金が6500円に対し1500円アップです。

もっと手軽でいいや、という方には、500円でロビーに簡単なトーストセットを出してくれます。

東京出張で一泊を予定している方、味もそっけもないビジネスホテルなんかより、こういうホテルで気分転換されてはいかがでしょう。

翌日、丸の内でミーティングだったので、上野という立地もじつに都合がよかった。
ただし、初めての方は必ず送迎バスを利用されたほうがいいですよ。
私は「行き」で夜の上野公園を彷徨してしまいました。







最終更新日  Oct 25, 2010 06:34:01 AM
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Jul 31, 2009
カテゴリ:東北以外の温泉
7年ほど前、会議で広島に3泊したことがあって、そのときにせっかくだから「岩惣」を人目見ようと宮島の真向かいにあるこのホテルに泊まったのだった。

しかしその年は物凄い猛暑で外気38度の日が続き、とても舟に乗って宮島に渡る気力もなかった。

ホテルの館内は、設備が整っていてとても居心地がよかった。
とりわけ、まるで温泉地のような趣向をこらした大浴場は、気詰まりな仕事の後の素晴らしいリフレッシュになったことが記憶に残っている。



その「岩惣」は、池波氏の随筆には、このように描かれている。

****************

濃い夕闇の中に、木立が鬱蒼として見える。その向こうに灯が見えた。[岩惣]へ着いたのだ。
車から降りると石畳の道に、名物の鹿が立っていて、私たちを親しげな眼ざしで見つめている。・・・
私は、奥まった離れ屋の[洗心亭]へ入ったが、同行の二人と夕飯を共にするため、通路へ出て行くと、そこにも雌鹿が坐っている。中年の女中さんが「この鹿は、今年の五月に生まれました」と、いった。
離れ屋は、紅葉谷の渓流に沿ってたちならんでいる。
島の表口とは、まるで別世界の静寂だけに、川の音が際立つ。
・・・・
料理は、いずれも念の入った、結構なものだった。
夜ふけて、洗心亭へもどりかけると、雌鹿はまだ、通路際の植込みの蔭に躰を横たえていた。
・・・・
本館の一部や、私たちが泊まった離れ屋は大正年間の建築で、ここへ一夜を過ごした外国人は、紅葉谷の自然と客室が一体となった、環境に目をみはるという。
********************
この、「紅葉谷の自然と客室が一体となった」というところに憧れてしまう。
この宿は一人でふらりと泊まるようなところでもないだろうし、料金もかなりハイクラスなので、近くまで来ることはあっても、なかなか算段がつかないでいる。

さきほどホームページも拝見したが、うーむ、やはり別天地のようだ。
http://www.iwaso.com/






最終更新日  Dec 2, 2010 06:33:06 AM
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Jul 19, 2009
カテゴリ:東北以外の温泉
故・池波正太郎氏はリアリティと情感あふれる時代小説で今も多くの読者を魅了しているが、エッセイの達人でもあった。

特に「やど」を見る目のやさしさ、厳しさ、明晰さは格別で、私も本がぼろぼろになるまで読みふけったものだ。

伊豆の地は私もこれまで4回ほどは訪れたことがあるが、大仁はいつも通過するだけだった。

主要道路ぞいからみる大仁はありふれた地方都市であり、しかし、ここを通るたびに、(この地にあの大仁ホテルが建っているんだ)という思いがしなかったことはない。

恐らく、そのホテルと周辺は別天地なんだろうと想像していた。

それは池波氏のこんな記述にも影響を受けていたからだ。

***************
大仁ホテルの離れへ案内されたとき、私は自分の目を疑った。
(こんなことが、あるだろうか・・・?)
四十年前に泊った離れが、そのままに残っていたからだ。
変転きわまりなかった日本の、この四十年間に、持続の美徳を、そのままに具現しているかのようだった。
・・・・
むかしからの常客は、ゆきとどいた、しずかな、余裕のある日本家屋で、むかしのままのサーヴィスを料理をたのしむことができるし、新しいファンも増えるばかりらしい。それでいて本館は、どこのホテルにも負けない洋室と和室があり、ステーキを出すグリルもある。
・・・・
大仁ホテルの女中さんは、このホテルのオーナーである会社の社員になっている。誇りをもって仕事をし、勤続の年月も長い。
・・・・
時代の激しい変転と共に、温泉旅館の経営がむずかしくなってきて、近年は、何処も彼処も手をひろげ、形だけは大きく、メカニズムの正体を知らずに、これを追いかけまわし、一歩、中へ入って客となれば、
(もう二度と来まい)と、おもわざるを得ないような旅館が多くなった。
ー「よい匂いのする一夜」、池波正太郎、1986



***************


この本は実家にも一冊あるのだが、先日急に読みたくてたまらなくなり、書店に行って買い求めた。

私は大仁ホテルが今も池波氏が目撃したとおりの経営を続けているなら、いつかは泊まって氏の思いを追体験してみたいものだ、と思い楽天トラベルで調べてみて衝撃を受けた。・・

ああ、ここにも「経営がむずかしくなってきて・・」の波がとうに訪れていたのか。

なんと「365日同一料金、飲み放題付きバイキングプランが8800円と超!破格なお値段で提供中。」というキャッチフレーっズが。

まるで、ナルシソ・イエペス先生が場末の飲み屋で「流し」をしているのに遭遇したようなショック
・・である。

もちろん、「流し」そのものは立派なプロであるが。
しかし、ここまで価格を下げるとは、一体何があったのだろうか??

まさに諸行無常である。旅館の経営というのは大変なことだろうと思う。自分の生活だけでなく、多くの従業員、常客にも大きな責任を負っている。客の要求や経済情勢は絶えず変化する。しかも、難しい方向にのみ・・。
だから、生き残りにどんな戦略を描いても、それを責めることは部外者の無責任な感傷であろう。ただ痛々しいだけ。

「「旅の者心中」の材料はね、山中温泉の、よしのやという宿へ泊まったとき、湯女の竹尾という女から聞いた事実談なのだよ」と、長谷川伸氏が池波氏に語り、あこがれを持ったという「よしのや依緑園」も二年前に経営破たんし、営業を停止している。

この随筆に描かれている旅館やホテルの一体いくつにこの先泊まる可能性があるだろうかと考えると、少し陰鬱な気分になった。

しかしもう一人の自分は、「このホテルに8800円なら泊まらにゃ損!」と耳元に囁きかけている。トラベルでの客の評価はすこぶる高い。そりゃ、そうだろう・・。

大仁温泉 大仁ホテル







最終更新日  Jul 19, 2009 09:36:19 AM
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Jun 21, 2009
カテゴリ:東北以外の温泉
山口瞳「温泉へ行こう」1978
*****

・・僕は出張で甲府へ行けば湯村温泉の常磐ホテルに泊まるようになった。そのほか、女房と二人で遊びにいく。女房の母を連れて甲府に泊まって身延山に参詣する。女房の姉を連れて昇仙峡を見物する。いつでも常磐ホテルに泊まった。
・・・
七時半に食事と言っておいたら、七時半ぴったりに女中が呼びにきた。別室に用意したという。
鯉のあらい
フキノトウ、タラノメなど季節の山菜の天ぷら
ソバの実の酢の物
煮貝(甲府名産のアワビ。大好物)
アユ塩焼
ホウトウ鍋
これが、腹が減っていたせいかもしれないが、めったやたらにうまかった。バカうまであった。「先生のおかげで、こんなうまいものが食べられる」と徳サンが言ったが、温泉旅館で、いつでも、こんな上等な食事が出るとはかぎらない。決して高価でも珍奇でもないが、一皿一皿に心がこもっている。
・・・温泉というのは、人それぞれの好みがあろうけれど、旅館に着いて、とりあえず浴場へ走っていって、ズボンと飛び込む。これがヌル目であって、漬っているとジワジワッとあったかくなる。「ああ、いい湯だな」。これじゃなくちゃいけない。常磐ホテルの湯が、まさにこれなのだ。
********

私の好きな作家・山口瞳はこのようにして、庭や風呂や建物、食事を褒めちぎっている。

私もこの本に紹介されている宿に何箇所かは泊まったが、この常磐ホテルが未踏である。

ぜひ泊まってみたいなあと常々思っているのだが。
ここに書かれている料理がこれまた、私の大好物ばかりなのだ。

現在でも、評判はすこぶる良いようだ。

山口先生が「酒池肉林」をやった花梨の庭は健在であろうか・・。


 湯村温泉 常磐ホテル<山梨県>






最終更新日  Jun 21, 2009 09:14:48 PM
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Dec 9, 2007
カテゴリ:東北以外の温泉
番外その2 奥湯河原温泉 京風懐石 海石榴(つばき)



若い女性に非常に人気のある宿である(らしい)。

ここも亡父と泊まった。私の人生で、一番宿泊料金が高かった宿(一人一泊58000円!)
いくら父が払ったとはいえ、今ならもったいないから安い宿にしてその分小遣いをくれと言うであろう(こらっ!)。

今は3万円チョイくらいから泊まれるようだ。

数奇屋造りの建築がともかく美しい。
庭園を囲むように低層の軒が連なる。
通された一階の部屋の目の前には、大きな鯉が群れ泳いでいた。

料理などはもうこれ以上何を望もうかという位のものが出たが、料金の割りに部屋がやや狭く感じられたところで印象としては山翠楼より落ちるのである。

大規模旅館ではないので風呂場などは中くらいの大きさで、これもごくごく控え目なつくり。湯船で読書をしている先客があり、どことなく海石榴らしいなーと思ったことがある。






最終更新日  Dec 9, 2007 06:08:55 AM
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Nov 27, 2007
カテゴリ:東北以外の温泉
思い出に残る和風ゴージャス旅館 番外編その1は、函館湯の川温泉 割烹旅館 若松である。



この宿は素晴らしいのだが「和風ゴージャス」とまではいかないような気がするので、番外としたがいいところだ。

この宿を訪れたのはかなり昔(25年くらい前)。

旅行会社に函館近辺でどこがいいか尋ねたところ、その担当者は、絶対の自信をもってこの宿を勧めてくれた。

当時一泊15000円というのは、かなりの高額であった。

どんなに立派な宿なのかと思っていたら、非常に古びた感じの建物だったので唖然とした覚えがある。松田勇作風にいえば「なんじゃこりゃーっ!」である。

特に その当時は若気のいたり、ワビサビを知らない子供たちだったもので、どちらかというと鉄筋コンクリのビカビカの宿こそ立派だという価値観があったのです な。

確か玄関の脇の灯篭のような石から、熱湯がごぼごぼと吹き出ていたっけ。

中に通されると、思いのほか高級割烹風で、悪くないなとやや気をとり直す。
そして、私の気分は、部屋に通されたときに最高潮に達した。

な、なんとっ、目の前が大海原だったのである。

私は案内の女中さんに、「すっ、すごいっすね!この眺め」
とかなんとか言ったと思う。

女中さんは私の心理を読んでいたかのように、
「玄関だけ見て帰ってしまうお客様もいらっしゃるんですよ、ホホホ」とか
言ったと覚えている。

夕食は海の幸を最大限生かした懐石料理。これがバカうまであった。

そして朝食には朝目の前で捕ったイカをソーメンにしたものが供される。

風呂は、展望風呂なんかではなくて地味なものだったと思う。

今は素晴らしく立派な新館ができ、だいぶ様変わりはしたが、おそらく割烹旅館としての若松のポリシーは受け継がれているに違いない。
10年くらい前、家族で この若松に泊まろうとしたのだが、バルコニーに露天風呂が付いているという誘惑に負けて「湯の川プリンスホテル」にしてしまった。

眺望は期待を裏切らなかったが、料理などはそれほどいいもの ではなかった。やはりあの時、若松にしておけばよかったと今も悔やまれるのである。








最終更新日  Nov 27, 2007 07:09:16 AM
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Nov 20, 2007
カテゴリ:東北以外の温泉
ベスト4 松江しんじ湖温泉 皆美館



宍道湖は、島根県松江市、出雲市、簸川郡斐川町にまたがる大きな潟湖(海跡湖)である。

皆美館はその展望を一人占めするような素晴らしい場所に立地する老舗の割烹旅館。

島崎藤村が長く逗留したという宿であり、その部屋は「島崎藤村の間」としていまも一般の宿泊に供している。

また故・山口瞳先生がこよなく愛した。
先生は「この宿の玄関に入ると顔がニタニタになる」と書いておられた。

その当時は内風呂が変わったつくりで、これは「湯船が三角であること嬉し」とある。

何事にも感じがよく、一部屋一部屋が贅沢な間取りで、落ち着くことこの上なし。
楽天トラベルの口コミでも、見事五つ星!

この宿に泊まる大きな喜びは、夕食の「宍道湖7珍」を活かした料理と、朝食の「鯛めし」である。
「宍道湖七珍」とは、スズキ、モロゲエビ(ヨシエビ)、ウナギ、アマサギ(ワカサギ)、シジミ、コイ、シラウオを指す。

私が宿泊したときの定番料理は「スズキの奉書焼き」であった。紙で包んで焼くのでうまみが逃げないのだそうだ。それを女中さんが目の前で、見事な手さばきでほぐしてくれた。慾をいえば、もう少しゆっくり奉書焼きの姿を見ていたかった。

この宿の名物「鯛めし」は江戸時代松江藩主の松平不昧公が好んだ御殿料理。

そばの具や焼いてほぐした鯛の身をご飯の上に乗せ、茶漬けのようにだし汁をかけて食す。その贅沢な味!朝からこんなもの食べていいのっ?というくらい旨かったなあ・・。







最終更新日  Nov 20, 2007 05:42:57 AM
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