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浜辺には クローバーの花 白い雪のように散らばり
鼻を啜り くしゃみをして 犬が空を見上げてる 北風を 帆に受けて走る 青や黄色が波に消えてく さあ、次に来る歌詞、分かりますか?すぐに分かるという人はそのまま。ちょっと思い出せない人は無理せず、この文章を読み続けましょう。言うまでもなくこれは「ローラースケートパーク」の中の一節だ。ぼくはボーとしながら、この曲を聴いていた。見事な歌詞だ。情景がすぐに頭の中に浮かぶ。海辺、クローバー、犬、サーフィンや船、それらを追う小沢健二の視線がとても丁寧で、こういう歌詞は書けそうでなかなか書けない。いつものように感心しながら聴いていた。何回も聴きなれた曲は、次にこの歌詞が来るなと大体分かる。「オッケーよ」だったら「と強がりばかり言いながら」という風に、自然に出てくる。とは言っても小沢健二の歌詞は長くて内容も濃いから出てこないことも多い。この時も、ぼくは3行目の歌詞を聞きながらも「次はなんだっけ」とちょっとひっかかっていた。もちろん、謎はすぐに解ける。そう、次の歌詞は、 遠く遠く つながれてる きみやぼくの生活 その瞬間、ぼくは深い深い感動に包まれた。思わず涙が出るぐらい。おおげさなと思うかもしれないが本当のことだ。なぜならぼくはこの時とても寂しかったから。特になにかがあったわけではないが、自分の居場所の無さをひしひしと感じ、その孤独感にとても耐えられそうになかった。周りの人から隔絶され、誰からも必要とされていない、そう思えて仕方なかったときに耳に入ってきたのがこの歌だった。もちろん、今となっては、もっとクールにいろいろ語ることもできる。でも僕がここでどうしても言いたいのは、その一瞬、その歌、その歌詞は確実にぼくの目の前の世界を変えた。救ってくれたといってもいい。それだけで、十分何かに値するようなものがそこにはある、と思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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